適正な価格形成 安売り競争の監視と労賃反映など課題 自民部会の議論2024年12月16日
農林水産省が合理的な費用を考慮した価格形成の仕組みについての検討を方向を示した12月13日の自民党の会合では外資系や大型量販店などの小売競争は激しく、いかに監視していくかが課題になるなどの意見が出た。
12月13日の自民党の会合
農水省はコストを考慮した取引を行うため、生産者や食品事業者などの売り手には持続的な供給に必要なコストの明確化、買い手にはコストを考慮することをそれぞれ努力義務とする方向で法案を検討している。
そのうえで努力義務に対応した「行動規範」を示し、その行動規範への取り組みが不十分な場合は、農林水産大臣が指導・助言し改善が見られない場合は勧告・公表、さらには独禁法違反の疑いが生じるケースには公正取引委員会に通知することを法律に規定する。
ただ、コストを考慮した取引を適正に行う枠組みは農林漁業者から食品小売業者までの「BtoB」の段階であり、小売業者が消費者に販売する「BtoC」は対象としていない。
そのため農産物や食品にはどれだけコストがかかっているか、消費者の理解が欠かせないが、自民党の会合では外資系や大型量販店の小売競争を懸念する意見が出た。大量に仕入れ安売り合戦が地域で起きて「まじめに(コスト考慮を)考える地域の小売店が消滅して、外資系を含めた大型店が生き残ることにならないようにしなければならない」との意見が出た。
また、会費を徴収している利用者向けに値下げするといった不当廉売が疑われるような取引もあるとして「大量に購入するからといって買い叩くことを許さない仕組みが必要」との指摘のほか、コストはチェックしても最終的な販売価格の把握が課題で「大手事業者をしっかり監視することが必要」だの声もあった。
農水省は「(法施行後に)段階を踏みながら仕組みをバージョンし、関係者と協議しながら改善していきたい。公正取引委員会とも連携して対応していきたい」との考えを示した。
また、各段階のコストについては、たとえば農業生産者であれば種苗費や肥料費、光熱動力費などコストを積み上げて示すことになるが「最低賃金をしっかり考えていかなければならない。石破総理も1500円と言っている」として労働費もしっかり考慮して提示する必要があるとの意見もあった。
農水省は次期通常国会に向けて合理的な費用を考慮した価格形成の仕組みの法制化作業を進める。
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