2025人事バナー縦
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
農協研究会
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
ヘッダー:FMC221007SP
FMCプレバソンPC
日本曹達 231012 SP

新基本計画の評価めぐり熱論 農水省、研究者、JA、生協から報告 農協研究会が研究大会2025年6月2日

一覧へ

農協研究会は5月31日、「新基本計画と今後の農政の重要テーマをめぐって」をテーマに2025年度研究大会を開いた。学識経験者、JA組合長ら会場に47人、オンラインで32人が参加。同研究会・谷口信和会長のコーディネートで4人から報告を受け、活発な討論を行った。

自ら作成した図解を示しながら新たな食料・農業・農村基本計画のポイントを解説する農水省大臣官房の河村仁政策課長自ら作成した図解を示しながら新たな食料・農業・農村基本計画のポイントを解説する
農水省大臣官房の河村仁政策課長

報告Ⅰ 国がめざすこと 農水省・河村仁政策課長
報告Ⅰは農水省大臣官房政策課の河村仁課長が「政策担当者が語る新基本計画の真髄と今後の農政の方向」を報告。河村課長は、担い手の人数が減る中で農業生産を維持するには生産性の抜本的向上が必要であり、輸出増のためにも生産性向上は避けられない。米は生産コストが60キロ9500円になれば海外と競争できる、とした。国だけでなく国民一人一人の食料安全保障という新たな目標も掲げ、KPIを活用して進捗(しんちょく)を毎年検証し、必要な手を打っていくと説明した。

会場からの質問に答える東京大学大学院の安藤光義教授(右端)。その左がJAいわて中央の佐々木雅博組合長、左端がグリーンコープ生協連合会の片岡宏明専務理事会場からの質問に答える東京大学大学院の安藤光義教授(右端)。その左がJAいわて中央の佐々木雅博組合長、左端がグリーンコープ生協連合会の片岡宏明専務理事

報告Ⅱ 研究者の検証 東京大学・安藤光義教授
報告Ⅱは東京大学大学院の安藤光義教授が「研究者からみた新基本計画―食料安全保障と担い手」として解説。安藤教授は①輸出は食料安保に寄与するのか、②農地面積は維持・確保できるのか、③水田政策の行方、という論点を提示した。政策の中身を具体的に検証し、輸出品のトップ3はソース混合調味料、清涼飲料水、菓子であり①は×(寄与できない)とした。②は△で、特に農家や農地の減少で野菜や果実の供給確保がピンチ。水活を廃止すると生産調整は崩れ、担い手からはしごを外すに等しいため③は混沌、と結論付けた。さらに、25年産米の生産がどこまで回復するかが米の供給力を占うことになると説いた。

報告Ⅲ 生産者の視点 JA岩手中央・佐々木雅博組合長
報告ⅢはJAいわて中央の佐々木雅博組合長が「農協の視点からみた新基本計画―令和の米騒動と水田政策の見直し」として地元の状況を交え報告。佐々木組合長は管内の農業の特色から話を始め、新基本計画への評価と要望をJA岩手県中央会と農政連が行った要望内容に沿って説明した。トランプ関税をめぐる対米交渉では、農業が不利益を被ることのないよう毅然とした対応を求めた。「米騒動」と水田政策見直しについては、政府は簡単に増産というが種の確保に1年かかり資本投下も必要になる。セーフティネットなしの増産は米価が下がって農業者が滅ぶことになりかねないとし、「多様な担い手の支援、再生産可能な適正価格、所得補償」の必要性を説いた。

報告Ⅳ 生協の新たな挑戦 グリーンコープ生協連合会・片岡宏明専務理事
報告Ⅳはグリーンコープ生協連合会の片岡宏明専務理事の「生協からみた新基本計画―米騒動下の食料安保と合理的な価格形成―」として生協の思いを披露。同生協は16府県に広がり43万世帯が組合員。農業生産基盤が傷つくなか、これまでの値段では再生産が成り立たないだけでなくお金を出しても生産できないという現実に対し、片岡氏は「一緒に作ることが一つの大きな解」だとし、牛乳工場、酪農場、飼料製造工場づくりに出資、参画する挑戦を紹介。買って食べるだけでなく、作るプロセスにも加わることで農地、農業を守る道筋を示した。

農政予算確保に協力を
農水省・河村課長の報告Ⅰは終了後すぐ、報告Ⅱ~Ⅳは全報告終了後に質疑、討論が行われた。

「国民一人一人の食料安保」なら、なぜ備蓄米を生活困窮者や給食などに回さないのかとの質問に河村氏は「今回の随意契約は緊急措置。子ども食堂等への無償交付もしている」とした。また、大規模化にも限度があり、土地はあっても人がいないという実情には、河村氏は「農地を集めれば使いたい人が出てくる。農地中間管理機構にまとめ、法人も含め引き受け手を探したい」と答えた。農政予算確保に関しては「私たちも『数字』を示し財政当局を説得するが、皆さんの力、政治の力も必要だ」と語った。

5キロ2000円「ありえない」
米をめぐる質疑の中でグリーンコープの片岡専務理事は「生産、製造に関わりコストをすべて積み上げて決めるのがグリーンコープ組合員にとっての適正価格だ」とした。JAいわて中央の佐々木組合長は「5キロ1800~2000円は農家からみるとありえない。3000円にはしてほしい。多様な担い手が大事だ」と語った。安藤教授は「草刈りも獣害も政策の視野に入っていない。生産コスト目標『60キロ9500円』は実験ほ場でのコストだ」と指摘した。

大規模な担い手だけでない多様な農業者が営農を続けられることの重要性がさまざまに語られた研究大会を、谷口会長が、「国民皆農」の大切さにふれて締め括った。

重要な記事

日本曹達_ナブ乳剤_SP

最新の記事

DiSC:SP

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る