備蓄米買い戻し方針の早期提示 施設再編の補助率拡充など重点要請 JAグループ2025年11月6日
JA全中は11月6日の理事会で「農業構造転換集中対策の具体化等に向けた重点要請」を決めた。生産現場からは農業関連予算総額の拡大と人件費や物価高騰をふまえて共同利用施設の再編などの事業の補助率や支援単価の拡充などが強く要請されており、会見で山野徹会長は「重点要請が実現するよう政府、与党を中心に強力な働きかけを行っていく」と述べた。
全中の山野会長
当面の米の需給は来年6月の民間在庫量が215万tから229万tと見込まれるなど、適正量とされる180万tから200万t水準を大きく上回る可能性がある。
会見で山野会長は「この1年、需要は増え政府による備蓄米の緊急の放出が実施されたり、これまでにない状況で需給を見通すのは困難」と見方を示しながら、食料安全保障の観点から「適正備蓄水準への回復を進めるべき、機動的な対応が図られるよう求めていく」と述べ、重点要請では政府備蓄米の買い戻し・買い入れ方針の早期提示を求めていく。
また、米の需給安定に向け、農業者・団体による長期計画的販売について保管料支援など行う米穀周年供給・需要拡大支援事業の拡充なども求める。
飼料用米など各戦略作物の定着と拡大、安定供給が図られるよう水田活用の直接支払交付金予算の十分な確保も要請する。
山野会長は「飼料用米など需要に応じた生産を強化しなければ、これまで積み上げてきたブランド化や自給率向上の取り組みが崩壊してしまうという強い危機感を持っている。国内の飼料生産基盤の確立のためにも、耕畜連携の継続が図れる支援策が必要だ」と強調する。
27年度以降の水田・畑作政策では、水田活用の直接支払交付金を「生産性の向上による水田生産基盤の維持を後押しする支援に見直すこと」や、輸出や加工用、米粉用米、飼料用米など「幅広い米需要へ安定的な供給が可能となるよう十分な支援を行うこと」を要請する。
米の安定供給体制については、需要に応じた米生産に向けて国や地方公共団体の役割や産地における推進のあり方を整理することや、生産現場が需要動向の変化に機動的に対応できる仕組みの構築も求めていく。
会見で山野会長は「生産性向上や輸出などの需要拡大を進め、増産できる環境をしっかりつくることを生産者と消費者のためにめざすべきだ」などと話した。
基本計画で示された「官民合わせた総合的な備蓄」については、食料安保や不測時の流通安定に向けて、「現在の備蓄水準(100万t)以上を確保するとともに、価格急騰への対応とせず、大きな不作等への備えとして目的を明確化する」ことを求めていく。
そのうえで検討課題としえ政府備蓄は、棚上げ備蓄方式を堅持したうえで、主食用米の需給と価格に影響を与えないような「運用・放出ルール」、需給変動リスクの高まりをふまえた「備蓄期間の短縮」、適正な価格形成を実現する観点での「買い入れ・買い戻し価格の設定」などを提起している。
また、民間備蓄については国の役割を後退させないことを前提に、保管経費や販売差損への補てんや、運用方法などが検討課題になるとしている。
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