農政:石破首相退陣に思う
【石破首相退陣に思う】しがらみ断ち切るには野党と協力を 日本維新の会 池畑浩太朗衆議院議員2025年9月17日
石破茂首相が9月7日、緊急記者会見を開き退陣を表明した。農政に通じる首相として期待を集めたものの、米政策の具体化を前に辞任に追い込まれた政権の総括と、持ち越された課題への対応が問われている。日本維新の会農林水産部会長の池畑浩太朗衆議院議員に聞いた。
日本維新の会農林水産部会長 池畑浩太朗衆議院議員
農政に大期待したが...
石破さんは農相を経験し、林官房長官も農相経験者、江藤前農相は農水族の親分、幹事長は農相経験者の森山さんと、今しかないという布陣で臨まれましたから、われわれも期待は大でした。農業予算の増額や米問題にしてもあれだけ見識のあるグループですから、それなりに手を打ってくるだろうと思っていました。
米問題については、米がなくなった昨年の7月から8月にわが党の吉村洋文代表が政府備蓄米を放出してほしいと要請したわけですが、新米が出れば落ち着くという話でした。しかし、それが最大の間違いで、結局、この話の落ちは、農水省の作況指数が間違っていましたと自民党の農林部会で事務次官以下全員が頭を下げた、です。
石破総理が党首討論で米は3000円台でなければと言い、その後、小泉農相が備蓄米の販売価格を2000円台にと言いましたが、花火だけ打ち上げて大きく変わらなかった。米価が下がらなかったというのが結果です。
消費者への補助 検討を
われわれも消費者のことを考えると下げなければいけない価格だったとは思いますが、農政ですから農家にとって、しっかり利益を上げてもらえる仕組みを考えておかなければいけなかったと思います。
一方で市場だけに任せられなかったから備蓄米を放出したわけですし、それも新米や銘柄米を出し、その値段も高く渡したわけです。したがって消費者に渡るときには補助を出していくということを明確にしなければいけないと思っています。今の米価で農家にはしっかり利益を確保してもらい、消費者に行き渡るところをいかに補助するかという仕組みの検討に着手しようということです。
石破政権が打ち出した米を作っていこうという政策に関しては大賛成です。これは党としてもやっていかなければならないと考えています。
学校給食で農家を守る
そのうえで、たとえば学校給食については各教育委員会が農家や農協と契約を結ぶなど、地方自治体がきちんと農家や集荷グループと組んで、自分たちの地域の子どもたちには、米の値段が上がっておかずの一品が欠けましたなどということはやめる。これは教育の話ですから文科省とも話をしなければなりません。
学校給食では有機無農薬米の取り組みがあちこちで聞かれますが、給食というのは出口戦略の一つです。給食の無償化とは農家のみなさんが出口を一つ見つけ、そこで農家が利益の柱の一つを立てることができるということです。これを国ができないなら、地方からやろうではないかと提案しようと思っています。
改革に向け協力も視野
石破総理にとっては党内のしがらみがあって進めにくいことがたくさんあったと思います。われわれはそれを汲んで、党内で進めにくい改革はわれわれと一緒にやろうじゃないかということはあると思っています。党内の長老にお伺いを立て、業界団体とのしがらみもあってできないという改革は、連立ということではありませんが、われわれと一部を組むことによって実現できるのではないかという提案をしていきたい。
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