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農政:自給率38% どうするのか?この国のかたち -食料安全保障と農業協同組合の役割

【座談会・与党議員に聞く】食料自給は国の責務 「田舎」守る政治を(1)2018年7月25日

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・自民党の議員連盟に100人が結集
・地域を全体で見る政治に竹下
・農地確保と生産性向上を根本
・農業に国の支援は不可欠萬代
・自民党は「本来の保守」に谷口

【座談会出席者】
竹下亘・自民党総務会長・地域の農林水産業振興議員連盟会長
根本幸典・自民党衆議院議員
萬代宣雄・新世紀JA研究会名誉代表・前JAしまね組合長
谷口信和・東京大学名誉教授(司会)

 世界の主要国の中で最低水準の食料自給率38%の日本。なぜか最近、国や政治家からも「食料自給」の声が聞かれない。地球的規模での気候変動や人口増のなかで、政権与党には、将来にわたって国民に対して安全な食料を、安定して確保する責任がある。自民党総務会長で、今年3月に発足し、現在100人近くの自民党議員を有する地域の農林水産業振興促進議員連盟会長の竹下亘氏、日本でトップクラスの園芸産地、愛知県選出の衆議院議員の根本幸典氏、それにJAサイドで新世紀JA研究会名誉代表(前JAしまね組合長)の萬代宣雄氏の3人に討論してもらった(司会は谷口信和・東京大学名誉教授)。JAcomでは3回に分けて掲載します。本日はその第1回。

◆足元を見て議論を

 【谷口】いま農業やJAの問題を見る場合、目先の動きに惑わされず、一歩下がって見る姿勢が求められているのではないでしょうか。農業の担い手不足が深刻になっていますが、29年度の農業白書によると、49歳以下の若手農業者は、農業の魅力について、自分で裁量できる、自由な時間がとれる、自然や動物相手の仕事だとかといった個人的な関心だけでなく、食料供給の社会的責任といった高い志を挙げています。また農業法人に雇われている人でも4割近くが同じ回答をしています。
 つまり、単に自分の楽しみだけでなく、地域・国民・国家の視野で食料供給の社会的責任を生きがいとして農業をやるという、自らの立ち位置を認識しているということです。グローバリゼーションが進むなかで、アメリカのトランプ大統領がアメリカファーストを唱え、それで選挙に勝ちました。これは国家とは何かを考えるよい契機になりましたが、そのベースは農業です。農業を国の中心に据えないと、あらゆる政策がふらついてしまいます。いま日本は、農畜産物の輸出に力を入れていますが、足元の国内農業をみて議論すべきだと思います。

【座談会・与党議員に聞く】竹下亘・自民党総務会長・地域の農林水産業振興議員連盟会長、根本幸典・自民党衆議院議員、萬代宣雄・新世紀JA研究会名誉代表・前JAしまね組合長、谷口信和・東京大学名誉教授(司会)

(写真右から)
竹下亘・自民党総務会長・地域の農林水産業振興議員連盟会長
萬代宣雄・新世紀JA研究会名誉代表・前JAしまね組合長
根本幸典・自民党衆議院議員
谷口信和・東京大学名誉教授(司会)

 

 

竹下亘・自民党総務会長・地域の農林水産業振興議員連盟会長 【竹下】政治サイドで考えると、国家にとって大事なことは国防・食料・エネルギーの安全保障で、国家の持続にとってこの3つは不可欠です。日本は世界トップクラスの純食料輸入国です。TPPなどの国際貿易協定ではさらに食料輸入拡大の圧力が加わっています。しかしちょっと待ってほしい。すでに地球温暖化が農業に深刻な影響を与えており、そのことを農業者は感じています。にもかかわらず、日本は膨大な量の食品ロスを出しています。まだまだ食料が大事だということが、国民の共通意識にはなっていません。
 それともう一つ重要なことは地方・田舎を守ることです。それをしないと日本が壊れると言っても過言ではありません。田舎が壊れると都市は簡単に壊れます。それを防ぐためにも第1次産業の農林水産業を守らなければなりません。

(写真)竹下亘・自民党総務会長・地域の農林水産業振興議員連盟会長

 

◆高い規模拡大意欲

 【根本】私の地元の愛知県豊橋市・渥美半島には豊川用水があります。もともと東三河地域は水がなく、やせた土地でしたが、用水ができて園芸の大産地になりました。田原市の農業産出額は全国トップで、豊橋市はベスト10に入っています。国内供給に穴をあけると、輸入野菜や花きが入るので、海外のものに負けないぞという意識と、国民の食料を供給しているのだという誇りを、農業者は持っています。
 一方、世界の食料事情をみると、人口の増加や生活の向上で肉食が増え、技術進歩による単収のアップはあっても、農地が簡単には増えない下で十分な食料が確保できるか疑問です。エネルギーもそうです。いつまでも輸入できるか、その保証はありません。この2つを安定して確保することは国の政策の基本です。
 そうした思いを若い農業者は持っています。できればもっと規模拡大し、都市の消費者に農産物を供給したいと思っていますが適切な土地がありません。農地の確保と生産性のアップをどうするか。これがいま愛知県の園芸・花き産地の大きな課題です。

 

◆理解欠く都市議員

 【萬代】政治は日本の農業・食料をどうするのかという大きな目でみるべきです。農業従事者の高齢化が進み、耕地も減っています。農家も日本農業の将来を心配していますが、この心配を都市出身の国会議員は全く理解していないのではないか。都道府県別の食料自給率でみると東京は1%にすぎない。食料の供給が止まると、約1300万人の東京都民は飢えてしまいます。
 そう考えると将来の食料供給は非常に危険な状態にあります。それなのに国は、日本の農業を支えている農協を軽視しています。もう少し、農協を活用して政策的にやるべきことがあるのではないか。政治家を含め、国や農水省がもっと農業と農協の味方になってくれないと困ります。農水省の発想はあまりにグローバリズム一辺倒過ぎると思います。
 韓国では、「農業の公共的価値」を見直し、食料自給などを憲法に明文化する運動として1000万人署名を行いました。経済優先ではだめだということが国民の共感を得て支持を広げているのです。スイスやフランスでは、中山間地域を中心に1戸当たり500~700万円の補助金を出して農業を支援しています。関税撤廃されると、今まで以上に厚い政治・経済的な支援がないと農業の持続は困難です。
 いま、農業の現場では飼料用米が問題になっていますが、今の補助金ならなんとか再生産できます。しかし財務省はそれをカットするように圧力をかけており、安心できません。こうしたことが分からず、目先しか見ない国会議員が多いのではないでしょうか。

 

 【谷口】地球温暖化が進み、日本でも毎年のように大規模な集中豪雨災害が発生していますが、いまだ、たいしたことはないと思い込んでいる能天気の人が多くいます。温暖化に対応して安定した農業を定着させるには5年や10年はかかります。食料の安定確保にとって温暖化がいかに大変なことか、政治家のみなさんはしっかり主張していただきたい。

 

 

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