農薬:年頭あいさつ2018
貫 和之 氏(住友化学株式会社 常務執行役員)2018年1月2日
最先端の提案型ビジネス展開を
新年にあたり、謹んでご挨拶申し上げます。
さて、皆さまご承知のとおり、2017年の「今年の漢字」は「北」でした。北朝鮮の動向をはじめ、北海道のじゃがいも供給不足や九州北部地域での豪雨、さらには清宮幸太郎選手の「北海道日本ハムファイターズ入り」といったことが理由のようです。
北朝鮮の動向を心配する気持ちは誰しも同じかと思いますが、一昨年の熊本地震や北海道での台風に引き続き、昨年も九州北部をはじめとした局地的な豪雨などにより、各所で農業被害が発生し、今後の農業情勢を心配する1年となりました。
また国内産業では、鉄鋼メーカーの検査データ改竄や自動車産業をはじめとする無資格検査など、日本のものづくりの強みであった品質の信頼が失われ、我々メーカーにとっては決して他人事ではない影を落とした1年でもありました。
一方、農業分野では、生産者の負担軽減を目的に、政府主導による生産資材価格の引き下げが強く求められてきています。当社としては、各資材の品質管理の徹底はもちろんのこと、農産物の品質向上や収量増加など、農業生産者の皆さまの経営安定化に貢献していくためには、各資材の有効な活用方法を適切に伝えていくことこそが重要であると考えており、本年も引き続き、技術普及に誠心誠意取り組んでまいります。
また、最近ではこれまでの農業を大きく変える動きも多数見受けられます。その中でも、特にIoT分野の発展は目覚ましく、代表されるドローンは年々精密化と散布技術の高度化が進み、機械による生育管理がより実用的なものになってまいりました。消費者に近い小売業界では、すでに各社が自社農場での導入を進めており、こうした取り組みが紙面を賑わしています。
さらには、こうしたIoT導入の流れを追い風としているものの一つに、GAPがございます。IoT導入により安定的な生産管理が実現されれば、今後GAPを取得する農家は一層増えていくものと見込まれます。
生産者の高まる輸出意欲を背景に、政府もGAPの推進に力を入れており、最近ではGAP認証済の食材を東京オリンピックの選手村で提供し、日本農業の魅力を国内外へアピールするとの報道もございました。もしこれらが実現されれば、日本の農業はより競争力のあるものとなるでしょう。
本年も住友化学アグログループは、このようなIoT分野の発展も大いに取り入れながら、各種農業資材の総合的な提供をはじめ、問題解決を具体的に提案できるトータルソリューション・プロバイダー型事業に取り組んでまいりますので、引き続き、皆さまからのご支援ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
農薬工業会会長会社・農薬工業会運営委員会委員長
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(159)-食料・農業・農村基本計画(1)-2025年9月13日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(76)【防除学習帖】第315回2025年9月13日
-
農薬の正しい使い方(49)【今さら聞けない営農情報】第315回2025年9月13日
-
【人事異動】JA全中(10月1日付)2025年9月12日
-
【注意報】野菜類、花き類、豆類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 兵庫県2025年9月12日
-
【注意報】果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 佐賀県2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政も思い切りやってほしかった 立憲民主党農林漁業再生本部顧問・篠原孝衆議院議員2025年9月12日
-
【石破首相退陣に思う】破られた新しい政治への期待 国民民主党 舟山康江参議院議員2025年9月12日
-
【石破退陣に思う】農政でも「らしさ」出しきれず 衆議院農水委員会委員・やはた愛衆議院議員(れいわ新選組)2025年9月12日
-
ドローン映像解析とロボットトラクタで実証実験 労働時間削減と効率化を確認 JA帯広かわにし2025年9月12日
-
スマート農業の実践と課題を共有 音更町で研修会に150名参加2025年9月12日
-
【地域を診る】個性を生かした地域づくり 長野県栄村・高橋彦芳元村長の実践から学ぶ 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年9月12日
-
(452)「決定疲れ」の中での選択【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月12日
-
秋の味覚「やまが和栗」出荷開始 JA鹿本2025年9月12日
-
「令和7年台風第15号」農業経営収入保険の支払い期限を延長 NOSAI全国連2025年9月12日
-
成長軌道の豆乳市場「豆乳の日」前に説明会を実施 日本豆乳協会2025年9月12日
-
スマート農園を社会実装「品川ソーシャルイノベーションアクセラレーター」に採択 OYASAI2025年9月12日
-
ご当地チューハイ「寶CRAFT」<大阪泉北レモン>新発売 宝酒造2025年9月12日
-
「卵フェスin池袋2025」食べ放題チケット最終販売開始 日本たまごかけごはん研究所2025年9月12日
-
「日本酒イベントカレンダー 2025年9月版」発表 日本酒造組合中央会2025年9月12日