農薬:年頭あいさつ2019(農薬)
藤本 博明 氏(住友化学株式会社 理事・アグロ事業部長)2019年1月2日
現場の課題解決事業に注力
新年にあたり、謹んでご挨拶申し上げます。
さて、皆さまご承知のとおり、2018年の「今年の漢字」は「災」でした。全国的に地震、豪雨、台風、猛暑などの自然災害の脅威が相次いだ点、災害の経験から全国的に防災意識が高まり、多くの人が自助共助の大切さを再認識した点、仮想通貨流出、スポーツ界でのパワハラ問題、財務省決裁文書改ざん、大学不正入試問題などの事件が発覚し、多くの人がこれらの出来事を人災や災いと捉えた点といったことが理由のようです。
最近の相次ぐ自然災害により、国内各所で農業被害が発生し、今後の農業情勢を心配する1年となりました。また国内産業では、メーカーによる品質データ改ざん問題が依然として発生しており、我々メーカーにとってはコンプライアンス遵守の徹底を改めて認識した1年でもありました。
一方、農業分野では、生産者の負担軽減を目的に、政府主導による生産資材価格の引き下げが一層求められてきています。当社としては、各資材の品質管理の徹底はもちろんのこと、農産物の品質向上や収量増加など、農業生産者の皆さまの経営安定化に貢献していくためには、各資材の有効な活用方法を適切に伝えていくことこそが重要であると考えており、本年も引き続き、技術普及に誠心誠意取り組んでまいります。
また、最近、ニュースなどでも「スマート農業」という言葉がよく出てくるようになりました。国内の農業をめぐる高齢化や新規就農者の不足などの厳しい状況の下で、国内農業の競争力を強化し、農業を魅力ある産業にするとともに、担い手の意欲と能力を存分に発揮できる環境を創出していくためには、ロボット技術やICTなどの先端技術を活用した「スマート農業」により省力化や精密化などをはかっていくことが重要になってきています。住友化学アグログループとしましても、農業へのICT活用として、例えば作業履歴を簡単に記録・管理できるシステム、気温などの環境情報を常時スマートフォンやタブレットで確認できるシステムや、ドローンで作物の生育状態を診断するサービスなど、さまざまなICTサービスに取り組んでおります。
スマート農業は研究開発などの成果が徐々に生産現場に広まりつつあるものの、まだ地域間での取り組みの差や、作物ごとで導入できる技術の差など、克服しなければならない課題も多く残されています。一方で、先端技術の導入により人手不足や生産性向上などの課題を克服したいとする農業現場の期待も高まっています。
本年も住友化学アグログループは、このようなスマート農業の発展にも取り組みながら、各種農業資材の総合的な提供をはじめ、問題解決を具体的に提案できるトータルソリューション・プロバイダー型事業に取り組んでまいりますので、引き続き、皆さまからのご支援ご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
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