【クローズアップ】人気上昇の「幻の卵屋さん」 卵の価格高騰と鳥インフルの影響は?2023年1月19日
「日本たまごかけごはん研究所」が首都圏を中心に駅などに出店する「幻の卵屋さん」。全国各地の高級卵を1個ずつ選んで6個パックで購入できるイベントで、各地で行列ができる人気を得ている。卵をめぐっては、昨年秋以降、鳥インフルエンザの流行や価格の値上がりなど厳しい情勢が続いているが、「幻の卵屋さん」にはどんな影響が出ているのだろうか。東京ドームで開催中のイベントに出店中の同研究所の上野貴史代表理事を訪ねた。

東京ドームのイベントに出店したブースは行列ができる人気ぶり
イベント出展の店に行列 目標だった"ビッグエッグ"でイベント
今月22日まで東京ドームで開催中の、全国の特産品などを紹介する「ふるさと祭り東京」。日本たまごかけごはん研究所は「幻の卵屋さん」と「夢の卵丼」の2つのブースを出店、高級卵にキャビアなどを乗せた丼はテレビでも紹介され、連日、行列ができる人気だ。
「夢の卵丼」を買い求めた客は「家が近くなのでテレビを観てこれを目当てに来ました」「会場を一回りして、見た目がおいしそうなこちらの丼に惹かれて買いました」と話した。
店の盛況ぶりに同研究所代表理事の上野さんは「実は"ビッグエッグ"が愛称の東京ドームでのイベント開催は、研究所としてのマイルストーン(節目とする目標)でした。3年半で達成できてよかったです」と顔をほころばせた。
卵の食べ比べが人気 年間70万個の売り上げ

日本たまごかけごはん研究所 上野貴史代表理事
日本たまごかけごはん研究所の設立は2019年。料理人の上野さんがたまごかけごはん好きの仲間と立ち上げ、コロナ禍で卵の需要が低迷する中、養鶏農家を支援しようと翌年3月からショッピングセンターや駅などで「幻の卵屋さん」イベントを始めた。20種類ほどの日替わりの高級卵から好きな6個を選んでパックで購入できる試みは各地で多くの客でにぎわう「予想を大きく上回る反響」(上野さん)で、卵の販売個数は年間で約70万個に達しているという。

ブースに並ぶたまごセット。通常は自分で選ぶことができる
上野さんは「通常の卵は同じものが6個や10個で販売され、違う種類の卵が同時に食卓に並ぶことはまずありませんので、卵の食べ比べができる点がお客さんに受け入れていただけたのかと思います。1個単位で自分で選べる体験が楽しいという声もありました」と話す。扱う高級卵の種類は北海道から沖縄まで95種類に増え、首都圏を中心に出店回数は約100回に達した。お客さんを呼び込めるイベントとして各地から出店のオファーが相次ぎ、ほぼ半年先まで予定が埋まっているという。
鳥インフルで途絶えた人気の卵も 卵価の高値傾向は「卵の価値高められるなら」
着実に客層を広げる中、飼料高騰や鳥インフルエンザの流行で卵の卸価格は現在、高値で推移している。「幻の卵屋さん」も影響を受けていた。
特に鳥インフルエンザをめぐっては辛い状況に直面した。高級卵を提供してくれていた東北の農家が鳥インフルの影響で出荷できなくなり、養鶏をやめることになったのだ。「大変人気のある卵でしたので泣けてきました。相当厳重な対策をしても防ぎきれないと聞きますし、辛いですね」。
また、卵の仕入れ値が次々と上がっており、今月から6個の詰め合わせパックを税込み800円から900円に値上げすることにした。「元々"薄利"で販売してきましたので、お客様に受け入れられるかどうかというより、これ以下で販売することはできません」と話し、今後のお客さんの動向を注視する。
もっとも、多くの生産者の苦労を耳にしてきた上野さんは、これまで卵の価格が低すぎると感じてきたと話す。「『物価の優等生』という鎖に縛られすぎてきたと農家の方によく言われます。熱い思いでこだわりの餌を使って手間暇かけて生産した卵の価値がきちんと理解されていないのではないでしょうか。卵の価値を高めるという点で考えると値上がりもむしろありと言えると思いますし、私たちは生産者ファーストで取り組みたいと考えています」。
初の海外イベントも計画 寿司に次ぐたまごかけごはんブームを
卵をめぐる厳しい情勢が続く中だが、上野さんは今年の目標として、初めての海外進出を計画している。夏前にシンガポールに視察に出かけ、現地の和食料理店でたまごかけごはんのイベントを開けないか商談を進める予定だ。一般に海外では日本のように鶏卵の洗浄・殺菌が行われておらず、サルモネラ菌を心配して生卵を食べる習慣はないが、衛生面の課題を乗り越えて海外での普及を目指している。
上野さんは「海外への進出も研究所の設立から5年以内をマイルストーンとして目指してきました。寿司も世界に普及するまでに50年かかっていますし、次に来る日本の生食ブームはTKG(たまごかけごはん)だと思って取り組んでいきます」と抱負を語った。
(関連記事)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】ショウガ褐色しみ病 県内で初めて発生確認 岡山県2026年3月16日 -
福岡県の「どんどんライス」が米飯類で不適正表示2026年3月16日 -
コスト転嫁できず「安い弁当」苦戦 弁当店倒産、2年連続最多に 商品戦略は二極化へ2026年3月16日 -
【中酪販売乳量】25年度「微増」で着地へ、都府県300万トン割れ2026年3月16日 -
給食のない春休みも牛乳を「メイトー×ニッポンエール 春のおいしいいちごミルク」ファミマ限定発売2026年3月16日 -
「世界女子カーリング選手権大会2026」日本代表を「ニッポンの食」でサポート JA全農2026年3月16日 -
「みのるダイニングフェザン盛岡店」開業9周年 人気メニューを特別価格で提供 JA全農2026年3月16日 -
【人事異動】JA共済連(4月1日付)2026年3月16日 -
【今川直人・農協の核心】創造は人間、助手は機械(2)2026年3月16日 -
【役員人事】ジェイカムアグリ(4月1日付)2026年3月16日 -
大規模稲作一辺倒は亡国への道【森島 賢・正義派の農政論】2026年3月16日 -
【消費者の目・花ちゃん】貴重な読書体験2026年3月16日 -
縁日イベント ホームランバー「当たりだらけの!?アタルフェス」開催 協同乳業2026年3月16日 -
障がいのある社員が育てた野菜を販売「OtemachiDeliマルシェ」に参加 ファミリーマート2026年3月16日 -
横浜市場 青果部再編整備完了記念 親子で楽しめる「市場探検ツアー」開催2026年3月16日 -
カマンベールチーズ熟成中の味の変化 世界で初めて可視化 雪印メグミルク2026年3月16日 -
オーレックグループ 3社が「健康経営優良法人(大規模法人部門)」に3年連続認定2026年3月16日 -
渋谷・原宿を脱原発訴えパレード「とめよう原発!3.7全国集会」に参加 パルシステム連合会2026年3月16日 -
秋田県に「コメリパワー横手インター店」28日に新規開店2026年3月16日 -
ポケマルおやこ地方留学「農山漁村振興への貢献活動に係る取組証明書」取得 雨風太陽2026年3月16日


































