食品産業景況DIでマイナス幅拡大2018年3月27日
・次期見通しは一転回復へ日本公庫調査
日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業本部はこのほど、平成29年下半期食品産業動向調査の結果を発表した。
調査は今年1月、全国の食品関係企業(製造業、卸売業、小売業、飲食業)7007社に対して郵送で調査票を送り、回収した結果をまとめたもの。
有効回収数は2357社で回収率は33.6%だった。
それによると、食品産業景況DIは、前回調査で2年ぶりに▲6.5とマイナス値に転じたが、今回調査では▲7.7とマイナス幅が拡大した。売上高DIのマイナス幅は縮小したものの、経常利益DI、資金繰りDIはいずれも低下。なかでも、経常利益DIは4.8ポイント低下し、マイナス幅が拡大したことが景況DIを低下させた主要因とみられる。景況DIの平成30年上半期見通しは▲1.1で、平成29年下半期に比べ 6.6ポイント上昇、マイナス幅は縮小する見通しだ。
調査結果のポイントは次の通り。
売上高DIは2.8ポイント上昇、経常利益DIは4.8ポイント低下、資金繰りDIは1.8 ポイント低下でいずれもマイナス値となった。景況DIは、27年上半期から28年下半期までプラス値を継続してきたが、前回調査で2年ぶりにマイナス値に転じ、今回調査でも1.2ポイント低下と2半期連続でマイナス値となった。
景況DIを地域別にみると、すべての地域がマイナス値となったが、特に中国地方の低下が目立ち、6.4 ポイント低下した。地域別の景況DIの30年上半期見通しは、四国以外の地域で上昇する見通し。
業種別の景況DIは、前回調査と比べ製造業が0.2ポイント上昇、卸売業が9.5ポイント低下、小売業5.6ポイント上昇、飲食業18.9ポイント上 昇と、飲食業以外の3業種でマイナス値となり、特に卸売業でマイナス値が大きくなっている(上の表)。
業種別の景況DIの30年上半期見通しは全業種で上昇する見込み。特に製造業と小売業はプラス値に転じ、改善が期待される。
雇用判断DIは、平成9年の同調査開始以降で最大の41.2となり、深刻な労働力不足の状況は継続している。雇用判断DIの30年上半期見通しは、29年下半期からほぼ横ばいの40.1で雇用の不足感は高止まりする見込み。設備投資DIは、前回調査に比べ3.2 ポイント低下したものの、6.7とプラス値を維持している。
DI:Diffusion Indexの略で動向指数のこと。
前年同期と比較して「増加する」(良くなる)と回答した企業の割合から「減少する」(悪くなる)と回答した企業の割合を差し引いた数値。景況DIは、売上高DI、経常利益DI、資金繰りDIを単純平均した値。
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