農業景況DIは過去最高を更新 日本公庫2018年3月22日
・養豚は好調、肉用牛は天候不順などで悪化
日本政策金融公庫(日本公庫)農林水産事業本部は3月19日、融資先の担い手農業者(注)を対象とする「平成29年度下半期農業景況調査」の結果を発表した。
調査は往復はがきによる郵送アンケート方式で、今年1月に行われた。スーパーL資金または農業改良資金の融資先のうち、2万1336件が調査対象。有効回答数は6711件で、回収率は31.5%だった。
それによると、平成29年通年の景況DIは、28年通年の過去最高値20.0を更新し、21.2となり、好調な販売単価から景況感の良化がうかがえる一方、都府県の稲作など業種によっては29年の天候不順の影響を受け、景況は悪化した。30年通年の見通しでは価格の先行き不透明感から稲作や肉用牛を中心に慎重な判断が目立ち、29年よりプラス幅が12.6ポイント縮小、8.6まで低下する見通しだ。
調査結果のポイントは次の通り。
農業全体の29年通年の景況DIは21.2で、過去最高だった28年(20.0)を1.2 ポイント上回り、過去最高を更新した。光熱動力費など生産コスト上昇の影響が見られるものの、総じて販売単価の好調が維持されていることから、収支・資金繰りが安定し、景況DIが高水準で推移しているものと思われる。
業種別では、生産・価格の好調が続く養豚、ブロイラーや作柄も良く販売単価が上昇した北海道稲作は景況DIが大幅に上昇、高水準となった。茶は低迷が続いていたものの、回復基調となった。28年に北海道で台風被害のあった畑作は大幅に改善した。
一方、29年の天候不順の影響で果樹や施設野菜、都府県稲作、露地野菜は景況DIが悪化した。なお施設花きは大幅に悪化し、マイナス値に転じた。葬儀スタイルの変化により一部切り花需要が衰退していることに加え、29年は天候不順による出荷時期と需要期のずれなどが重なり、市場価格を大きく下げたことが要因と見られる。
畜産は、販売単価の下落と素牛価格が高止まりしている肉用牛や、初妊牛価格が高止まりしている中で、初妊牛の外部導入率が高く、収支・資金繰りの悪化が目立つ都府県酪農は大幅に悪化した。北海道酪農や採卵鶏は依然高水準にあるものの、DI値が低下している。
農業全体の景況DIの30年通年見通しは、29年(21.2)より12.6 ポイント低い8.6と悪化する見通しとなった。稲作は価格の先行き不透明感から悪化、マイナスに転じる見通し。生産者からは「先行きが不安」「米価の先が見えない」などの声が聞かれた。畑作や茶も悪化し、慎重な見通し。採卵鶏や肉用牛は大幅に悪化してマイナス値となり、養豚も大幅に悪化する見通しだ。これは価格の先行きを懸念したものと思われる。ブロイラーや酪農も慎重な見通しだ。
他方、きのこや施設花きは大幅にDI値が上昇し、施設野菜や果樹、露地野菜も改善の見通し。29年の天候不順による景況悪化から、価格や生産の回復を見越したものと見られる。
30年の設備投資見込みDIはマイナス6.8で、29年(3.6)から10.4 ポイント低下だが、最近5年の中では高い水準となっている。
今回調査では特別に、投資に踏み切る主な「動機」についてきいた。それによると、省力化・効率化(70.0%)、周辺農家の離農による農地などの経営資源の受け入れ(41.4%) の回答割合が高い。自らの経営改善を図る一方、農業構造の変化に伴い対応が必要な状況に直面していることがうかがえる。なお、農業政策による後押し(18.7%)、6次産業化(7.0%)、輸入自由化対応(6.6%)といった回答も見られた。
雇用状況DIはほとんどの業種で低下し、28 年(マイナス33.6)から3.2 ポイント低いマイナス36.8 となった。27年から2年連続の低下で、深刻な労働力不足が続いている。
(上の画像をクリックするとPDFファイルが開きます)
○問い合わせ先:同公庫農林水産事業本部
○TEL:03-3270-2397
(注)融資先の担い手農業者:認定農業者の経営改善の取り組みを後押しするスーパーL資金または担い手農業者の新たな取り組みを支援する農業改良資金の融資先。
(関連記事)
・コメ取引関係者の見通し、「米価低下」やや増(18.03.12)
・生活衛生関係営業の景気動向等調査結果 日本公庫(18.02.14)
・進む農業現場でのIT利活用 日本公庫が調査(18.02.01)
・米の需給「締まる」傾向やや増加-米穀機構調査(18.01.24)
・食品産業で「求人に応募なし」が9割近くに 日本公庫調べ(17.12.05)
・農業景況判断 29年は悪化の見通し(17.03.16)
重要な記事
最新の記事
-
事前契約で米価に「下限値」 暴落食い止め営農可能な手取り確保 全農にいがた2026年2月4日 -
高市首相モームリ 【小松泰信・地方の眼力】2026年2月4日 -
朝市では「5kg3434円」 県産米の売れ行き好調 JAふくおか嘉穂の直売所2026年2月4日 -
水稲新品種「ZR2」を農研機構と育成 多収で良食味 JA全農2026年2月4日 -
とちぎ霧降高原牛・日光高原牛 生産者が「みどり認定」取得 JA全農とちぎ2026年2月4日 -
米の行方―食の多様性の中 意外な開拓先も 元JA富里市常務理事 仲野隆三氏2026年2月4日 -
農業を仕事にする第一歩を応援「新・農業人フェア」11日に開催 農協観光2026年2月4日 -
地域農業動向予測システム(RAPs)活用方法を紹介「担い手育成支援セミナー」開催 農研機構2026年2月4日 -
黒星病に強いナシ品種づくり DNAマーカーで効率化 農研機構×かずさDNA研究所2026年2月4日 -
道の駅直売所「サンサンうきっ子宇城彩館」、レジ通過1000万人を達成 JA熊本うきが記念イベントを開催2026年2月4日 -
北海道の人生150本を記録『北海道の生活史』出版記念展示会開催 コープさっぽろ2026年2月4日 -
氷見市などと「棚田を中心とした持続可能な地域づくりに関する連携協定」締結 ヤマタネ2026年2月4日 -
「山村の地域資源の活用~山村活性化支援交付金について~」オンラインセミナー開催2026年2月4日 -
「桑原史成写真展激動韓国60年」市民セクター政策機構と協力開催 生活クラブ連合会2026年2月4日 -
日本豆乳協会 2025年の豆乳類の生産量44万4552kl 過去最高を記録2026年2月4日 -
畜産用赤外線ヒーター「ミニぽか」200Vハイブリッドモデルを追加 メトロ電気工業2026年2月4日 -
大洗町と子育て支援で連携 ハッピーギフト受付開始 パルシステム茨城 栃木2026年2月4日 -
首都圏企業と道内の大学・自治体とのマッチングイベント「北海道PRデイズ」開催2026年2月4日 -
原発事故を風化させない 利用者と「富岡復興ソーラープロジェクト」視察 パルシステム連合会2026年2月4日 -
岡山で農業機械修理・購入を気軽に「農業機械よろず相談部門」新設 西井農機2026年2月4日


































