50年で生物多様性が7割減「生きている地球レポート2020」発表2020年9月14日
WWFインターナショナルは9月10日、地球の健康診断書「生きている地球レポート 2020」を発表した。

同報告書は、生物多様性の豊かさ(LPI)と、人間の消費と廃棄が地球に与える負荷(エコロジカル・フットプリント)という観点から、地球環境の現状を包括的に報告するもので、1996年以来、2年に一度のペースで発表している。2020年版では、4300を超える脊椎動物種の約2万1000の個体群調査の結果、LPIは地球全体で1970~2016年の間に平均68%減少した。一方で、人間による消費は地球が生産できる範囲を約60%超過。今の生活を維持するには地球1.6個分の自然資源が必要となる。
また、報告書は今回初めて、減少を続ける生物の多様性を回復させるシナリオを、科学的な根拠に基づいて明らかにした。WWFは、約40の大学、保護団体、政府間機関と共に、陸域の生物多様性の減少をくい止め、回復する方法の研究に参加している。
図1は、このまま何もしなかった場合と対策をとった場合の将来予想仮説(シナリオ)をたて、生物多様性の回復傾向を調べたもの。生息地保護などの環境保全策を強化するだけでなく、持続可能な生産と消費の施策とを組み合わせることが生物多様性回復には必須であることを示した。
この結果にWWFジャパンのエコロジカル・フットプリント担当 清野比咲子氏は「ウィズ/ポストコロナ時代を考えるとき忘れてならないのは、自然の回復なくして未来を語ることはできない、という点。これまでのような地球の限界を無視した経済のしくみは続けられなくなる。日本でも、生物多様性を回復させ、気候変動を抑える、新たな経済のしくみやライフスタイルの転換を求める『グリーン・リカバリー』という考え方が重要です」と話している。
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