食品ロス防止と生活困窮世帯支援へ公共冷蔵庫設置 関東で初めて埼玉・草加市に2022年7月11日
食品ロスを防ぐとともに、ひとり親世帯など生活困窮世帯を支援しようと、埼玉県草加市に両者をつなげる「コミュニティフリッジ(公共冷蔵庫)」が関東で初めて設置された。草加商工会議所が主催し、地元のスーパーを運営する会社などが運営にあたっている。すでに100人もの利用者が登録しているといい、運営する団体の代表は「食品業界の廃棄を防ぎながら必要な支援に充てるメリットの多い取り組みとして各地に広げていきたい」と話している。
「コミュニティフリッジ」は6月17日に草加市のスーパーゼンエーの店舗の前にオープンした。プレハブ倉庫の中に冷蔵庫や冷凍庫も完備され、米などの食料や飲み物など、流通から外れた食品や一般の家庭から寄付されたものなどが保管されている。24時間運用され、登録した利用者は、いつでも訪れて自由に持ち帰うことができる。現在はひとり親世帯を対象に利用者を募っており、登録者は100人に上っているという。
この取り組みは、以前からフードロスをなくす事業に関わってきたスーパーを展開する全栄物産の植田全紀さんが発案した。以前からフードロスをいかになくすかを考える中で、ヨーロッパで始まったコミュニティフリッジに注目したという。植田さんによると、国内では2019年に岡山県に設置されたのをはじめ、佐賀県や大阪でも取り組まれているが、関東での設置は初めてという。
設置されたコミュニティフリッジは、無人でバーコードで商品管理されており、登録した利用者はアプリで電子ロックを開錠して利用できる。誰が何を寄付したかや、誰が何を受け取ったかなどのデータは管理されている。
飲料メーカーの協力で冷蔵庫には飲み物が並べられている
食品は主に食品流通業から出る賞味期限内の廃棄食品を想定しており、すでに飲料メーカーや食品会社が協力を申し出ている。また、登録者は草加市にとどまらず、周辺の越谷市や川口市などにも広がっており、利用者から「小学生と中学生の子がおり、よく食べる年頃なのでお腹いっぱい食べさせてあげれると思うとホッとしまう」などという声が寄せられているという。
植田さんは、賞味期限内の食品を廃棄するにも一定のコストがかかるので、収益を生む食糧支援の形を確立したいとし、「食品業界にも利用者にもメリットがある仕組みであり、同様の取り組みを各地に広げていきたい」と話している。
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