消費者の行動自粛が夜間営業に影響 外食産業市場動向調査11月度2022年12月27日
日本フードサービス協会は12月26日、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査の2022年11月度の集計結果を発表した。
11月の外食は、コロナ第8波が拡大中も行動制限がなく、相次ぐ価格改定に加え、インバウンドの受け入れや全国的な旅行支援が10月から実施。おおむね表面上の売上数値は伸びて対前年比108.9%となったが、原材料費、エネルギー費、人件費等の高騰は価格改定ではカバーしきれないほど大きい。さらに、自粛気味の消費マインドが加わり、とくに夜間の客数が振るわず、全体として勢いのある回復とは言えない。事業継続の足かせがほぼ無くコロナ前の外食シーンに戻りつつある欧米とはかけ離れた状況となっている。
業態別はファストフード(FF)の全体売上は109.2%、2019年対比は111.6%となった。
「洋風」は、サッカーW杯にちなんだ期間限定メニューなどの充実でテイクアウト・デリバリーが堅調、売上は111.7%。「和風」は新商品が好評で売上108.1%。「麺類」は、客数減・店舗数減の中、店内飲食の回復や季節メニューの好調により、売上106.8%。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「持ち帰り米飯」の単価が高めの商品や「回転寿司」の低価格キャンペーンなどで売上106.5%。「その他」は、「アイスクリーム」がテイクアウト商品の堅調に加え、イートイン商品も好調、「カレー」はキャンペーンやトッピング販売が奏功し、売上105.1%となった。
ファミリーレストラン業態(FR)は、全体売上は前年比107.5%、19年比では93.9%となった。
「洋風」は、価格改定による客単価上昇に加え、客数増もあり、売上108.9%。「和風」は、全国旅行支援の効果もあり、売上108.1%。「中華」は、店内飲食、店外消費ともに好調で売上109.3%。「焼き肉」は、夜間の客の戻りが思わしくなく売上100.2%。
パブ・居酒屋業態は、コロナの感染者数は増加したが、昨年に比べコロナ慣れのためか、個人客にはあまり影響がない。コロナ拡大を見越した忘年会の先取りやサッカーW杯の観戦需要などがあり、飲酒業態全体の売上は前年比で114.7%となった(「パブ・ビアホール」124.4%、「居酒屋」110.2%)。しかし、法人の宴会需要や夜遅くの需要は未だ戻らず、2019年比では61.4%に留まった。
ディナーレストラン業態は、全国旅行支援やインバウンド需要で客数は増加しつつあり、売上は108.1%となったが、一部では人手不足による営業時間の短縮やコロナによる入店者数の制限などがあり、2019年比では84.5%となった。
喫茶業態は、夜間の来店は回復が鈍いものの、昼間は季節メニューの好調で客足の戻りが早く、売上は前年比111.4%、2019年比では87.2%だった。
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