【年頭あいさつ 2024】今井俊夫 デンカ代表取締役社長2024年1月5日
新年あけましておめでとうございます。
2024年もJAcom農業協同組合新聞をよろしくお願い申し上げます。JAcomでは、農業関連団体トップなどによる年頭のあいさつを掲載しています。
明けましておめでとうございます。2024年の年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。
昨年は、日本国内では新型コロナウイルスが5類に引き下げられ、個人消費や設備投資が上向くなど景気は緩やかに回復しつつあります。しかしながら世界情勢を見ると、先行きの見えないイスラエル・パレスチナ問題や長引くロシア・ウクライナ問題、中国での個人消費や輸出の低迷、欧米での物価高や金融引き締めに加え、世界的な気候変動による自然災害の頻発など、引き続き世界経済は不確実性の高い状況が続いています。
2023年は私たちデンカにとって、新しいビジョンと新経営計画Mission2030の初年度として、「挑戦」「誠実」「共感」の3つのコアバリューのもと、「化学の力で世界をよりよくするスペシャリストになる」ことを目指して、「事業価値創造」「人財価値創造」「経営価値創造」の3つの分野において設定した2030年のKPIの達成にむけてスタートを切りました。
具体的には、1月にCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)を設立し、新規事業の創出と新規技術の獲得に向けた新たな取り組みを開始しました。各重点分野においても、ICT&Energy領域では、10月にアセチレンブラック製造販売事業を行う合弁会社をタイに設立し、年間11,000トンの生産能力を持つプラント建設を決定しました。需要伸長が目覚ましいxEVのリチウムイオンバッテリー、洋上風力発電の高圧送電線ケーブルなどの分野で、安定供給を堅実なものとしていきます。
Healthcare領域においては、がん治療用ウイルスG47Δ製剤の製造能力増強のため約120億円の投資を決定し、「治療」分野での確固たる礎を築きます。また、次世代mRNA技術であるレプリコン技術を用いた季節性インフルエンザワクチン開発の共同研究も開始しました。
SustainableLiving領域としては、5月に米国TransformMaterials社と、低炭素アセチレンチェーン確立に向けた、マイクロ波プラズマを利用したメタンからのアセチレン・水素製造技術を活用した取り組みを開始しました。また、千葉工場では、東洋スチレン社の使用済ポリスチレン樹脂のケミカルリサイクルプラント完成が間近となっています。
その一方、製品の品質においては第三者認証等の不適切行為が判明し、6月14日には、青海工場で配管破裂に伴う死亡事故が発生してしまいました。また、度重なる小火災が生じるなど、近隣住民の皆様をはじめ、多くのお取引先様、関係者の皆様にご迷惑とご心配をおかけする事態となりました。
私たちは、製造業として最も優先されるべき事項である安全管理と品質保証においてこれらの重大な事態を生じさせてしまったことを重く受け止め、失った信頼の回復に誠実・真摯に向き合っていかなければなりません。
また、業績も低迷基調になりつつありますが、今年は既存事業の収支改善に加え、新規製品の立ち上げを行うとともに、全社的なコストダウンプロジェクトも実施し、Mission2030達成を目指して再び成長軌道に復帰したいと思います。
Mission2030の初年度は極めて厳しいスタートとなりました。先日、TVで久し振りにアリババ創業者のジャック・マー氏のスピーチを聞きましたが、"Agreatcompanyisborninwinter"との言葉が印象的でした。私たちもこの厳しい冬の季節を乗り越え、更に強い、新しいデンカに生まれ変わりたいと思います。
全世界のデンカグループの従業員及びそのご家族の方々、そして関係する全ての皆様のご健康とご多幸をお祈りし、全ての事業所と関連会社の無事故・無災害を願いまして年頭の挨拶といたします。ご安全に!
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