もみ殻が燃料 バイオマス地域熱供給プラント 秋田県大潟村で竣工 シン・エナジー2024年7月23日
シン・エナジーが株式会社オーリス(秋田県南秋田郡大潟村)から建設工事を受注し、工事を進めていた日本初の「もみ殻バイオマス地域熱供給プラント」の竣工式が7月17日に行われた。同プロジェクトは、村内で大量発生するもみ殻(稲の実の外皮)を燃料としてバイオマスボイラーで熱を生み出し、地中に埋設した熱導管を通じてホテルや温浴施設に再生可能エネルギー由来の熱供給を行うもの。米どころの大潟村ならではの地域課題「もみ殻の有効活用」を実現し、主要産業の発展に貢献する。
竣工式には地元や事業の関係者など約40人が参列し、同プラントの完成を祝った。
大潟村村長で、オーリスの代表取締役社長でもある髙橋浩人氏は「稲作から食料とエネルギーを創り、地域資源と地域経済の好循環を構築することが、GX(グリーントランスフォーメーション)のモデルとなり、稲作地帯にこの技術が普及することを願う」と話した。
◎プロジェクト特徴
(1)環境省「第一回 脱炭素先行地域」に採択
同村では、「2050年自然エネルギー100%の村づくりへの挑戦!」を掲げ、2022年4月に環境省「第一回 脱炭素先行地域」に採択。
(2)地域資源の有効活用
村内で発生するもみ殻年間約1万4000トンのうち年間約1800トン使用し、バイオマスボイラーで熱エネルギー(90℃の温水)に転換。
(3)環境への貢献
化石燃料の使用量を削減し、年間約1550トンのCO2排出量を低減の見込み。
(4)高性能設備の導入
もみ殻に燃料仕様(灰分含有量が多い)が類似する麦わらを活用したバイオマスボイラー製造の実績が豊富なデンマークのLinka Energy A/S社製バイオマスボイラーと、熱供給の配管として保温性が優れ、漏洩検知機能があるデンマークのLOGSTOR INTERNATIONAL Sp.z o.o.社製熱導管を導入。さらに、Schneider Electric社製のSCADAシステムIGSSを導入することで、ボイラーおよび熱導管、熱供給施設のリアルタイムデータを高速で収集し、ユーザーが必要とする情報を迅速に可視化できる最先端のDXシステムを備える。
(5)広範な地域熱供給
村内約3.5km(片道)にわたる地域熱供給ネットワークを構築。
(6)副産物の活用
もみ殻を燃焼する際に副産物として生まれる「もみ殻燻炭」を農業資材として地域農家等に販売し、土壌改良剤や育苗培土として活用。更に、J-クレジット制度を活用した農地への炭素固定と経済的メリットを見込む。
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