共済金支払総額3兆5475億円 経常利益1002億円 JA共済連決算2025年7月31日
JA共済連は7月30日に通常総代会を開催し、令和6(2024)年度の決算および事業報告を承認した。経常利益は前年度比179.6%の1002億円、当期剰余金は同284.0%の1373億円となった。令和6年度は「JA共済3か年計画」の最終年度として、契約者・組合員への“寄り添う”活動や体制整備、健全性の確保に力を入れた。
通常総代会の様子
新契約高・保障共済金額は減少傾向
新契約高は、生命総合共済が件数89万3000件(前年度比84.7%)、保障共済金額は2兆2161億円(同91.4%)、建物更生共済が件数60万3000件(同98.4%)、保障共済金額は8兆9772億円(同99.4%)。両者の合計は11兆1934億円(同97.7%)となった。
自動車共済は件数808万6000件(同99.9%)、共済掛金は2666億円(同100.8%)と堅調に推移した。
保有契約高(生命総合共済・建物更生共済の合計)は210兆4012億円(同97.0%)。解約・失効率は、生命総合共済が2.46%(前年度2.73%)、建物更生共済が1.73%(同2.04%)といずれも改善した。
共済金の支払実績は、事故共済金が1兆2172億円(同103.5%)、満期共済金が2兆3302億円(同94.4%)。総額は3兆5475億円(同97.3%)となり、組合員・利用者の生活を支えた。
経常利益・剰余金は大幅に増加
総資産は57兆4189億円(同98.2%)、うち運用資産は55兆3267億円(同97.8%)。責任準備金は49兆5065億円(同99.1%)を積み立てた。
損益は、直接事業収益が4兆611億円(同99.2%)、財産運用収益が1兆399億円(同83.9%)。一方、直接事業費用は4兆9284億円(同103.0%)、財産運用費用は4200億円(同67.5%)となり、経常利益は1002億円(同179.6%)、当期剰余金は1373億円(同284.0%)となった。
基礎利益は前年並み、リスク備えを強化
令和6年度は、建物更生共済や自動車共済の事故共済金が増加した一方、金利上昇により利息配当金収入が増加。基礎利益は前年並みの4813億円を確保した。将来の健全性確保に向け、責任準備金の特別積立や諸準備金の積立を実施した。
将来の予定利息負担の軽減に向けては、生命総合共済の責任準備金の特別積立に加え、異常危険準備金の積立を行った。債券入替に伴う費用については価格変動準備金の取り崩しで対応し、今後の金利上昇や運用環境の急激な変化に備えて積立も実施した。巨大災害リスクには、異常危険準備金の積立に加え、海外再保険によるリスク移転で対応力を高めた。
経営指標では、ソルベンシー・マージン比率が1014.3%(前年度比65.5ポイント減)、基礎利益は4813億円(同水準)、実質純資産額は10兆2896億円(同3兆6209億円減)であった。
開会のあいさつを行う青江伯夫会長
総代会で青江伯夫会長は「JAグループにとっての風当たりが強くなるなか、一丸となって結束力を高め、問題解決に向かっていきたい。JA共済連は75周年を迎え、次の100年に向けて組合員と地域の声をしっかりと受け入れ、提案力と人間力で地域シェアでナンバーワンを目指す」とあいさつした。
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