世界初 トウモロコシ根からの生物的硝化抑制物質を発見 国際農研×農研機構2021年7月30日
国際農研の大高潤之介研究員、グントール・スバラオ主任研究員、吉橋忠主任研究員と農研機構の小野裕嗣ユニット長の共同研究グループは、トウモロコシの根から産出される生物的硝化抑制(BNI)物質の同定に初めて成功。トウモロコシのBNI産生能力(BNI能)を活用した、地球に優しい農業生産システムの構築へ道を拓くものと期待される。
近代農業では、工業生産されたアンモニア態窒素肥料が農地に多量投入され、土壌細菌により変換(硝化)されることで、温室効果ガス排出や水質汚染など、窒素損失に起因する様々な問題を引き起こしている。国際農研は、作物が根から産出する物質の持つBNI作用を活用し、農地からの窒素損失を低減することをめざしている。
研究グループは、トウモロコシ根の表層抽出物からBNI物質の探索を行い、1種類の新規高活性物質の発見に成功。また、高活性物質1種類と活性物質2種類も同定した。硝化菌の硝化を抑える力であるBNI活性が最も強かった物質は、BNI物質として自然界から初めて発見されたことから、「ゼアノン」と命名。今回発見したゼアノンを含む4物質は、トウモロコシ根の持つBNI合計活性量のうち、45%相当の活性を有していることが明らかになった。
世界で最も多く生産される畑地作物であるトウモロコシのBNI能を、本研究で得たBNI物質を礎に強化することで、窒素肥料の損失と環境汚染を減らし、地球の窒素循環を改善することに繋がる。
同研究の成果は、科学雑誌「Biology and Fertility of Soils」オンライン版(6月17日付)に掲載された。
予想されるトウモロコシの生物的硝化抑制(BNI)のメカニズム
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