【注意報】さとうきびにメイチュウ類 多発のおそれ 沖縄県2022年12月5日
沖縄県病害虫防除技術センターは、さとうきびにメイチュウ類(カンシャシンクイハマキおよびイネヨトウ)の被害を沖縄本島と久米島で確認。これを受けて、11月28日に病害虫発生予察注意報第2号を発令した。
沖縄本島被害ほ場(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
11月における沖縄本島の新植夏植ほ場での芯枯れ調査の結果は、芯枯茎率が4.8%(前年2.8%、平年1.5%)と、平年より高く、発生ほ場率は93.8%(平年:64.9%)。また、久米島の病害虫防除員による調査では、メイチュウ類の発生程度は「多」だった。
芯枯茎・カンシャシンクイハマキ幼虫・イネヨトウ幼虫(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
メイチュウ類は、被害ほ場およびイネ科雑草が発生源となり、ほ場に侵入する。ふ化幼虫は葉鞘の内側を下降して節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害して芯枯れを起こす。
カンシャシンクイハマキは、沖縄では年6~7世代を重ね、周年発生。卵は葉や茎に1~数卵ずつ産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は200~500卵に達し、被害はほ場内に散在的に発生する。
イネヨトウは、沖縄では年5~7世代を重ね、周年発生する。卵は葉鞘の裏側に卵塊で産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は400~700卵に達する。初期被害はほ場周縁部で見られ、ほ場内でスポット状や畝に沿って被害が拡大。被害が集中的に起こるため、生育初期に加害されると坪枯れを起こすこともある。
同センターでは次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場および周辺の除草を徹底する。
〇発芽揃期から有効分けつ期の芯枯れを防止するため、食入初期の幼虫を対象に薬剤防除を行う。
〇乳剤の場合は、葉鞘内に薬液が浸透するように丁寧に散布する。粉剤の場合は、茎と葉元の間に散布し、降雨や散水等により溶解させ、葉鞘内部へ浸透させることで防除効果が高まる。
〇薬剤防除後、2~3週間をおいて再度防除を行うことで防除効果が高まる。
〇培土時には土壌害虫の防除を兼ねた薬剤(粒剤)を施用する。
〇被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う。
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