「TASUKE+」ゲノムナビゲーションシステムを大型アップデート 農研機構2023年12月25日
農研機構は、大量で膨大なゲノム情報を一目瞭然で見通せるゲノムナビゲーションシステム「TASUKE+TASUKE+(タスケプラス)」を9月1日にアップデートし、機能を大幅に向上させた更新版をウェブサイトで無料公開した。穀物や野菜、果樹を対象とした研究者などから幅広く活用されている。
TASUKE+の機能とアップデートの概要(一部)
ゲノムは生物の設計図であり、ゲノム上に点在する遺伝子機能の違いにより、農作物においては、実の大きさや味などの違いが生じる。近年、食料安全保障の観点からも、多収・高品質な農作物の育成をいち早く実現するためにゲノム情報を活用したスマート育種研究が進展。新たな品種を育成するには、多くの品種から取得したゲノム情報を活用し、品種間の個性の原因となる遺伝子を見つけ改良することが必要だが、大量のゲノム情報をスマートに扱うには、瞬時に地図のように可視化し、遺伝子情報を探索できるツールが求められる。
農研機構が、ゲノム情報を瞬時に活用するためのツールとして開発したTASUKEは、集めたゲノム情報を整理し可視化、さらに検索でき、大量のゲノム情報を一目瞭然で閲覧できる先鋭的なツール。例えば、市街地の地図においては、住所を調べたり、レストランを探したり、地形を見比べてみたりと様々な利用方法があるように、ゲノム情報も遺伝子の塩基配列を精査したり、複数の遺伝子の関係性を調べたり、遺伝子を他の種と比較したりと様々な目的で利用される。このようなニーズを満たすナビゲーションシステムとしてTASUKEは開発された。現在、穀物や野菜、果樹を対象とした研究者などから幅広く活用されている。
さらに、TASUKEはユーザーの用途によって、それぞれのTASUKEを作成することが可能。イネのゲノム情報を集めて整理したRAPDBのイネ版TASUKE++や、カンキツ類の情報をまとめたMikanGenomeDBのTASUKE+等が公開されており、新たな品種の作成を助ける。その他、インターネット上で得られるゲノム情報や独自に取得したゲノム情報をTASUKEに組み込んで利用することもできる。今回のアップデートでは、ゲノム情報を大量に組み込んでも瞬時に可視化できるよう内部処理機能を向上させ、様々なアップデートを実施した。
今回のアップデートを含む内容は、2024年1月12~17日に米カリフォルニア州サンディエゴで開催の「International Plant&Animal Genome Conference31」で発表される。
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