【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 鳥取県2024年7月29日
鳥取県病害虫防除所は、イネに斑点米カメムシ類(アカスジカスミカメ、クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ、トゲシラホシカメムシなど)が県内全域で多発のおそれがあるとして、7月26日に令和6年度病害虫発生予察注意報第4号を発表した。
写真1:アカスジカスミカメ(提供:鳥取県病害虫防除所)
鳥取県病害虫防除所によると、斑点米の原因となるカメムシ類の発生が水田周辺のイネ科雑草地や既に出穂している極早生品種や早植えの早生品種などで多く、斑点米被害の多発が懸念される。今後、水稲の出穂とともにカメムシ類が水田へ飛来してくるため、穂揃い期から乳熟初期の防除徹底を呼びかけている。
写真2:クモヘリカメムシ(提供:鳥取県病害虫防除所)
現在、水田周辺のイネ科雑草地では、主にアカスジカスミカメ、クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ、トゲシラホシカメムシなどが発生。同防除所が7月13~18日に行った巡回調査の結果、捕虫網5往復10回振りすくい取りの平均成幼虫数は354.3頭(平年:298.6頭)と平年よりやや多く、過去の注意報発令年と同程度の発生。
写真3:ホソハリカメムシ(提供:鳥取県病害虫防除所)
イネ科雑草地では、アカスジカスミカメ及びクモヘリカメムシは大量発生している地点が県内全域に点在。さらに、クモヘリカメムシの発生か所率は80.0%(平年:30.9%)で、過去20年間でも最も高い。
写真4:トゲシラホシカメムシ(提供:鳥取県病害虫防除所)
すでに出穂している極早生品種や早植えの早生品種では、クモヘリカメムシおよびホソハリカメムシが大量に飛来しているほ場が県内全域で散見されている。
気象予報によると、向こう1か月は平年と同様に晴れの日が多く、気温は高いと予想。出穂期を迎える水田でのカメムシ類の加害活動および増殖に好適な条件になると見込まれる。
表:斑点米カメムシ類の主な防除薬剤
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)水田周辺の雑草地、畦畔などのイネ科雑草はカメムシ類の増殖源となるため、適正な管理を行う。出穂20日前頃に畦畔などの草刈りを行ったほ場では、再生したイネ科雑草が出穂する前に再度草刈りを行うと、カメムシ類の密度がさらに低下する。一方、出穂20日前頃に畦畔などの草刈りを行っていないほ場では、穂揃い期から乳熟期に草刈りを行い、その直後に、水田に追い込まれたカメムシ類を粉剤、水和剤などで防除する。
(2)薬剤防除は適期に行う。
〇粉剤、水和剤などを使用する場合
薬剤防除は穂揃い期から乳熟初期に行い、その後も発生が多い場合は7~10日間隔で1~2回の追加防除を行う。防除は地域一斉で行うと効果が高い。なお、出穂前散布の防除効果は期待できない。
〇粒剤を使用する場合
発生の主体がアカスジカスミカメの水田では、粒剤による防除も可能である。病害虫防除指針などを参考にして、各薬剤の散布適期に湛水散布を行う(湛水散布にあたっては、農薬のラベルに記載されている止水に関する注意事項などを確認するとともに、止水期間を7日間とし、また、農薬の流出を防止するために必要な措置を講じるように努める)。また、散布後も発生が多い場合は粉剤、水和剤などで追加防除を行う。なお、クモヘリカメムシやホソハリカメムシに対して、粒剤は実用的な防除効果を示さない。
〇防除薬剤は表を参考とする。また、農薬の使用基準を遵守するとともに、使用上の注意事項を守り、散布作業者の安全の確保に努める。
(3)クモヘリカメムシおよびホソハリカメムシはイネの登熟後期まで水田内で発生する。そのため、これらの種の発生が多いほ場では防除後も発生状況に十分注意し、要防除水準(25往復50回振りすくい取り虫数4頭以上)を超えた場合は直ちに追加防除を行う。
(4)水田内で穂をつけたヒエ類はカメムシ類の発生を助長するため、見つけ次第抜き取る。
(5)イネカメムシが発生している地域では、同種の適期防除を徹底する
(6)薬剤散布にあたっては、農薬使用基準を遵守するとともに、蜜蜂被害軽減対策などに注意する。
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