【注意報】野菜類にチョウ目害虫 県下全域で多発のおそれ 長崎県2024年10月31日
長崎県病害虫防除所は、野菜類にチョウ目害虫(ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ、オオタバコガ)が県下全域で多発のおそれがあるとして、10月30日に令和6年度病害虫発生予察注意報第6号を発表した。
長崎県病害虫防除所によると、ばれいしょにおける10月後期の巡回調査(20筆)の結果、株当たり虫数は、ハスモンヨトウで0.12頭(平年0.01頭)、シロイチモジヨトウで0.08頭(同0.01頭)、オオタバコガで0.08頭(同0.01頭)と多かった。チョウ目害虫の食害発生圃場率は95.0%(同49.4%)とかなり高かった。
ブロッコリーにおける10月後期の巡回調査(12筆)の結果は、ハスモンヨトウの寄生株率は11.7%(同1.7%)、発生圃場率は75.0%(同24.2%)と高く、ふ化直後の幼虫や卵塊も多かった。シロイチモジヨトウの寄生株率は0.7%(同1.1%)、発生圃場率は16.7%(同18.8%)。オオタバコガの寄生株率は2.3%(同0.6%)、発生圃場率は33.3%(同12.5%)と高かった。
いちごにおける10月後期の巡回調査(25筆)の結果は、ハスモンヨトウの食害株率は4.1%(同3.0%)、寄生株率は2.0%(同0.7%)、発生圃場率は76.0%(同49.1%)とやや高かった。オオタバコガの寄生株率は0.3%(同0.0%)、発生圃場率は12.0%(同2.4%)と高かった。
にんじん、だいこん等の野菜類でもチョウ目害虫の発生を認めている。
ハスモンヨトウのフェロモントラップ(諫早市、南島原市)の誘殺数は、10月4半旬以降急増。平年または前年より多く推移。シロイチモジヨトウのフェロモントラップ(諫早市、雲仙市)の誘殺数は、諫早市で10月5半旬に減少したが、平年よりかなり多く、雲仙市では10月2半旬以降増加している。また、オオタバコガのフェロモントラップ(諫早市)の誘殺数は、10月4半旬に増加し平年並。
福岡管区気象台が10月24日に発表した気象予報によると、向こう1か月の気温は平年より高い見込みで、引き続き本虫の発生に好適となる。
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇発生は圃場間差が大きいので圃場の見回りを徹底し早期発見に努める。また、卵塊や分散前のふ化幼虫(ハスモンヨトウ、シロイチモジヨトウ)は見つけ次第除去し、適切に処分する。
〇幼虫は齢が進むと薬剤の効果が低下するため、若・中齢期に防除を行う。なお、薬剤は虫体によくかかるよう丁寧に散布する。
〇施設栽培では、成虫の侵入を防ぐため開口部に防虫ネット(目合い4mm以下)を設置する。なお、ハスモンヨトウはハウス資材にも産卵し、幼虫はネットをすり抜けて施設内に侵入することがあるため注意する。
〇施設栽培では、外気温の低下後も施設内での発生が長引くことがあるため早期発見、早期防除に努める。
〇薬剤抵抗性発達防止のため、同一系統薬剤(令和6年長崎県病害虫防除基準の「作用機構による分類(IRAC)」参照)の連用を避け、ローテーション散布する。
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