【JA全農の若手研究者】ゲノミック評価を用いた黒毛和種の遺伝的改良2026年3月26日
JA全農は全国4研究拠点で現場課題を起点としたテーマを設定し、革新的な技術の創出に挑戦している。3月19日、東京・大手町のJAビルで、その中から若手研究者4人が研究発表を行った。4人目は、畜産生産部ET研究所生産開発課の造田篤氏が「ゲノミック評価を用いた黒毛和種の遺伝的改良」を発表した。

ETはEmbryo Transfer、授精卵移植の略です。ET研究所は、授精卵の製造(採卵、年3万個)、授精卵移植(ET、年8000頭)、研究開発の業務を行っています。
ET研では、供卵牛の遺伝的改良に取り組んでいます。遺伝的改良ではスピードが大事ですが、改良速度は「選抜強度×相和的遺伝標準偏差×選抜の正確度」を「世代間隔」で割ることで求められます。
ET研究所における育種改良
血統情報、家系に加えてDNA、1頭1頭の遺伝子の情報を用いて推定した遺伝的能力がゲノミック評価になります。利用した研究を2つ紹介します。
1つは高増体牛造成試験(全農飼料畜産中央研究所笠間乳牛研究室との共同研究)です。枝肉重量がすぐれた雌牛から採卵、すぐれた雄牛に授精し、生まれた牛の枝肉成績を試験しました。雄、雌ともに全国平均より100kg近く増体しました。
高増体牛造成試験
もう1つは採卵成績のゲノミック評価です。総回収卵数は遺伝の影響が18%、高品質胚数は11%だったため、遺伝的改良は可能と考えました。採卵成績を改良しても産肉能力に悪影響を与えないことも確かめました。
改良対象形質
ET研では450頭の牛を飼っていますが、年4回の採卵で、得られる授精卵が平均6.4個から1個増えると、授精卵が年1800個、生まれる牛が1080頭増え、より効率的な和牛生産に寄与できます。
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