タイにおける高機能バイオ炭を活用した農業実証を本格展開 TOWING2025年6月11日
TOWINGはタイ王国において、同国や日本国内の大手企業と連携し、土壌改良資材で同社が開発した高機能バイオ炭「宙炭(そらたん)」を活用した農業実証を5か所で開始。タイ政府が推進する「BCG(Bio-Circular-Green)経済モデル」の実現に貢献するとともに、農地を活用した大規模な炭素貯留を通じて、地球規模での環境問題の解決につなげる。
カセサート大学カンペンセーン校(タイ・ナコンパトム県)における圃場試験の一部
タイでは、砂質土壌における土壌劣化が課題となっている地域がある。砂糖やキャッサバなど農産物加工企業を中心とした独自の農業サプライチェーンが確立されており、農業残渣の有効活用や環境負荷低減への関心が高まっている。さらに、野焼きなどにより発生するPM2.5などの大気汚染問題解決の一環として、農業残渣を原料とするバイオ炭の活用にも期待が寄せられている。
TOWINGは、こうした背景からタイを重要な市場と捉え、同国の持続可能な農業発展と環境問題解決に貢献することを目指している。
この実証では、大規模栽培を行うトウモロコシ、サトウキビ、キャッサバの他、チンゲン菜やダイコンなどの園芸野菜を対象作物とし、宙炭による土壌改良、化学肥料の使用量削減、収量向上、そして農地への炭素貯留効果を検証。各大手企業や、既にMoUを締結しているカセサート大学カンペンセーン校と連携しながらタイ中部・東部・北部にて同時に実証を行っている。
使用するバイオ炭は、連携先であるタイ大手財閥(SCG)傘下のSCG Cementから調達した原料を元に、TOWINGの技術で付加価値を高めた高機能バイオ炭を生産・利用する。
実証連携先の一つである食品加工大手Lampang Foods社(タイ北部)とは、同社が契約栽培を行う1万ライ(約1600ヘクタール)のトウモロコシ(スイートコーン)を対象としたスキームの構築を進めている。このスキームでは、宙炭の施用により農地への炭素貯留を推進するとともに、有機肥料の利用を最大化することで土壌の健全性を高め、地域農業全体の持続可能性向上に貢献することを目指す。
TOWINGは、経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」にも採択されており、タイにおける宙炭の生産・利用モデルの大規模化にも着手。タイ王国でのさらなる事業拡大のため、Spiber (Thailand) Ltd.の元Directorである浅井俊雅氏を責任者として迎え、7月を目途に駐在員事務所を設置予定。
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