自然栽培の甲州百匁柿 柿蜜やドライフルーツをセットで提供 然企画2021年1月25日
山梨県甲州市で自然栽培で特産の柿を栽培する然企画は、甲州百匁(ひゃくもんめ)柿を楽しめる「柿まるごとお試しセット」の予約受付を1月25日から開始。農薬・除草剤・化学肥料不使用で栽培された山梨特産の百匁柿のおいしさを様々な形で味わえるお得なセットとなっている。
然企画は、枯露柿の主産地である松里地区伝統の渋柿「甲州百匁柿」を、農薬・除草剤・肥料を一切使わず、柿の木と作り手と動物たち(ヤギ5頭、ポニー1頭)との協働で生産。それを「紅露柿」(くろかき)と名付けた。
紅露柿は、原料柿の生産から商品の製造まで、「循環」をテーマにしており、農薬の代わりに年間10回以上「食酢」を撒いて防除を行い、冬には病気の原因となる落ち葉を掃き集め、焚いて灰にして畑に還す。また、草生栽培により、草は動物たちの飼料に、動物たちからのボロ(糞)は肥料として土に還る。足掛け12年で現在は、様々な虫や鳥などが行き交う畑となっている。

紅露柿は、人の都合ではなく柿の顔(状態)を見て栽培作業が行われる。11月半ば頃に、しっかり熟れた柿の実を収穫し皮をむき、柿の表面の殺菌工程では硫黄くん蒸(添加物処理)は行わず、かまどで沸かした湯にくぐらせ、天日と風通しでゆっくり仕上げる。でき上がった干し柿は、表面に「柿霜(しそう)」と呼ばれる果糖をまとい、柿本来の甘み(甘露)と風味をしっかり残しながら、果肉は深い紅色になる。
地元特産の枯露柿は、その多くがお歳暮など贈答用に珍重され、毎年秋から年末までJAに出荷される。近年は温暖化の影響で、年末までに充分に寒くならず、ここ数年は常にカビの発生などのリスクを抱えての生産が続いている。そこで同社は、あえてお歳暮時期には合わせず、しっかり干し上がる寒さを待ち、カビのリスクが低減させた上で、一つ一つ作業している。でき上がった柿は良質な味を持ち、大きさが目を引く「プレミアムドライフルーツ」として加工される。
これまでは東京・青山で開かれる青山ファーマーズマーケットに出店。試食した人からは「干し柿のイメージが大きく変わった」と言われたり、柿蜜・柿の葉茶など「柿の食材としての魅力や可能性」をアピールしてきたが、新型コロナウィルスの影響でマルシェ自体が中止に。試食の機会が無くなってしまった。
そんな中、昨年9月に、奈良県立医科大学が、柿渋に含まれる柿タンニンが新型コロナウィルスの不活化に有効という研究結果を発表。「柿の持つ自然由来の予防効果」への注目度が高まっていることから、一人でも多くの人に、紅露柿をはじめ、柿タンニンを豊富に含む品々を食べて、柿の持つ可能性を感じてもらおうと、「柿まるごとお手軽セット」を用意した。
「柿まるごとお試しセット」は、無添加のドライフルーツ「紅露柿」、生柿の果汁だけを煮詰めて作った柿蜜「熟練(じゅくねり)柿蜜」と「天柿(てんし)のわけまえ」、干し柿蜜「紅露蜜」の3種類と、柿の葉を粉末にした「甲州百匁の柿の葉茶」の5点をセットで4730円(税・送料込)。
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