青果物:秋冬タネプレゼント
秋冬注目 種子プレゼントー増える加工・業務用野菜2016年6月20日
スーパーに並ぶカットサラダも、加工・業務用野菜を使った「商品」であることをご存知だろうか。ダイコンはおでんなどのカット野菜、ニンジンはカレー用の他、ジュースなど多彩に変化する。今回、6次産業化を進めるため農水省が認定した農業ボランタリープランナーである仲野隆三氏(元JA富里市営農担当常務)に、加工・業務用野菜について聞いた。
加工・業務用野菜の卸価格は、市場で販売する場合と比べ、20~30%くらい安価だ。この値段を聞くと、生産者は手を引いてしまうが、同氏は「加工・業務用は規格が簡素化され、コンテナで集出荷することも可能で、収穫後の仕分けや調整作業が少ない。つまり労力コストが低減され、その時間を別の作業に充てることができる」と話す。取引価格が安い部分を、どこでカバーするか。一玉1.2kgのキャベツを2.0ha以上の重量にするなど、栽植間隔を広めて10a収量を増やす考え方が求められる。
加工・業務用ビジネスの拡大で野菜サラダなどの「商品」の需要は広がり、安定供給の必要性が高まったが、これは生産者にとっても、契約による安定収入への一歩となる。
◆ニーズを汲み取る
加工・業務用を作る際に大切なことは(1)年間通した安定供給、(2)企業とのコミュニケーションだという。
野菜の加工工場は常に稼働してカット野菜などの商品を供給している。そのため、原料となる野菜も常に安定的に供給されることが要求される。北海道から沖縄まで気象条件に適応したサプライチェーンの取組みが必要だ。
生産者は、このサプライチェーンのなかで、自分のほ場と気象条件にあった栽培技術を考えて、契約を行うことが重要だと同氏は指摘する。
また、(1)の実現には、(2)の信頼関係の構築が不可欠。契約相手が何を望むか。作る野菜は、煮るのか、焼くのか、サラダにするのか、それには野菜の用途別の品質が求められる。相手のニーズを汲み取って栽培する品種を選択する必要がある。
契約取引の基本は上記のような品目(品種)の加工適性や調理適性の他、鮮度の維持、契約数量の取り決めの3つが大切だという。
契約数量の取り決めは、生産部会で契約を行うなど大型野菜産地に適した契約の仕方と、計画的な取引に適する少量多品目の野菜の個別契約栽培がある。
◆家庭向けは縮小
高齢化社会や女性の就労、単身世帯の増加などで消費者ニーズは大きく変わった。中食や外食産業が大きくなり、食の外部依存は高まっている。
現在、生鮮野菜の消費動向は、家庭向けが4割、加工業務向けが6割だ。同氏は「将来は7割が加工業務向けとなっていくのでは」と予測する。
加工・業務用野菜は価格の安い輸入野菜の占める割合が高い。国内の生産者が加工・業務用を行う際は、まず契約相手の望むニーズを汲み取り、それに適した品種の選択、土地の気象条件などに真剣に向き合い、経営者として知恵を絞ることが大切なのではないだろうか。それが日本の農業を守ることにもつながる。
ご応募いただける品種は、次の通り(各品種の紹介文にリンクしています)。
▽雪印種苗:ダイコン「長香太」・20名
▽雪印種苗:コマツナ「あっちゃん」・20名
▽久留米種苗園芸:キュウリ「新聖」・30名
▽久留米種苗園芸:キュウリ「ブレイク615」・30名
▽三重興農社:ミニトマト「CFプチぷよ」・20名
▽武蔵野種苗園:トウモロコシ「夏まき味甘ちゃん」・20名
▽グリーンフィールドプロジェクト:コリアンダー(別名:パクチー/シャンサイ)・20名
▽横浜植木:ニンジン「れいめい」・30名
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