飼料添加物過剰 摂取した牛 すべて回収2016年2月26日
農水省は2月25日、飼料安全法上の基準値を超えた飼料を与えられていた牛が、香川県内のと畜場に搬入されていた件についてまとめた。牛は一部出荷されていたが、自主回収および店頭から撤去された。その他の食肉などは出荷されていなかった。
香川県は17日、農水省から、抗菌性飼料添加物(モネンシンナトリウム※)が基準の10倍量添加されたおそれのある飼料を給与されていた牛が県内に搬入されたとの情報を受け、牛の流通状況の確認を行ったところ、基準値を超えた飼料を与えられた牛が坂出市内のと畜場で15日に13頭、16日に9頭の計22頭、と畜されていたことがわかった。また高松市内のと畜場でも17日2頭がと畜されていた。
坂出市内でと畜された牛の内臓部分が一部出荷されていたが、現在自主回収と店頭撤去されている。この回収された内臓について食品衛生法上の残留検査を実施したところ、いずれもモネンシンナトリウムは不検出だった。
高松市内でと畜された牛は、市場流通前の状態だった。これについて、今後残留検査を行う予定としている。
なお、モネンシンナトリウムが人に与える影響について、農水省消費・安全局畜水産安全管理課飼料検査指導班は「量にもよるが、人によっては軽い吐き気などが出ることがある」としている。
◆指示ミスで過剰混入
基準値を超えた飼料は2月9日から10日にかけて西日本飼料(株)で製造された肉牛肥育用配合飼料2銘柄16.5t(9バッチ)、対象出荷先2農場。同日、同社ではモネンシンナトリウムを事前に予備混合する自動製造ラインの設備点検を行っており、その間製造する製品は、人手による配合を行っていた。この際、指示ミスにより通常規定量の10倍量のモネンシンナトリウムの過剰投入が発生。製造された9バッチのうち2バッチは正常な予備配合の在庫品を使用。後の7バッチに過剰なモネンシンナトリウムが配合された。
モネンシンナトリウムは出荷前検査が義務付けられているが、今回は最初の1バッチのサンプルで検査を行い、適正値を確認したため、残りの異常に気付かず、正常品と判断し出荷された。
今後、同社は「確認制度の見直しやチェック体制の強化などを行い、再発防止対策に努めたい」としている。
(※)モネンシンナトリウムはポリエーテル系抗生物質の1つ。飼料添加物として指定され、飼料安全法により、対象家畜や給与時期、給与量が定められている。主に牛や鶏の体重を増やすなど飼料利用効率の向上を目的として使用される。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日
-
参議院選挙に行ってとんかつ割引「選挙割り」実施 平田牧場2025年7月4日
-
作物と微生物の多様な共生が拓く農業の未来 意見論文が米国植物科学誌に掲載 国際農研2025年7月4日
-
国産率100%肥料の商品を販売開始 グリーンコープ共同体2025年7月4日