【コラム・目明き千人】「お上の逆をやる」が農民の知恵2016年8月23日
お上の言うことの逆をやれば間違いがない、が昔からの農民の知恵である。
桃・栗三年で、野菜も果実も畜産物も努力の結果が出るのは一年がかりだ。お上の政策、これがよい、の品目もすぐに飛びつかず誰かがやっているのを3年間くらい見てから判断をする。日本のコメ、果実、野菜、和牛肉はきれいで美味い。
外国の特定のお客には売れるがその国の農産物や、日本以外の国からの輸入品と比べてどれくらい高いかの比較もやった方がよい。何処かの国のお金持ちを相手にするのもよいが、近所の"こんにちわ"と毎日挨拶をする人が来てくれる直売所で売ったのと、輸出のコストを差し引いた実際の手取り額の比較が必要だ。
お上が推薦の大規模、コンピューターの最新技術を駆使した近代的な経営をやろうと銀行から金を借りて土地を集め会社を創った。大きな看板に"近代的モデル農場"、テレビで大型のトラクターに安倍総理が乗って手を振っている。
3年たったら小さな看板に「売地・○○不動産」。
隣の集落営農の法人経営の畑では皆さんが秋の果物、梨、リンゴの収穫作業で忙しく働いている。道の向こう側では一家総出で収穫作業だ。
農家は、高齢化、後継者不足の中で農業を続けるために、リーダーの農家が中心となった法人や、皆さんが話し合って集落営農の法人の工夫をしている。
カネを出した資本家が経営権を握って"自由競争"で勝ち抜くという近代経営方式とは一味違った日本の風土、地域に合った経営方式を工夫している。
外国の安い肥料を自民党農林部会長殿が探しておられる。大変結構なことだ。高いよりも安い方がよいが、肥料は価格よりも大切な選択肢があることをご存知か。農協が組織的にその地域の土質、気候、作目、品種に合わせた田んぼ、畑、果樹園の土壌診断をして何年かのデータを分析し、適した肥料を供給する仕事をしている。
お上の折角のご努力だが、実際に安い外国産を使った農家の収入が増えたのか販売の結果を確かめてから、が知恵だ。
重要な記事
最新の記事
-
令和7年秋の叙勲 西沢耕一元JA石川県中央会会長ら93人が受章(農協関係)2025年11月3日 -
シンとんぼ(166)食料・農業・農村基本計画(8)農業の技術進歩が鈍化2025年11月1日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(83)テトラゾリルオキシム【防除学習帖】第322回2025年11月1日 -
農薬の正しい使い方(56)細菌病の防除タイミング【今さら聞けない営農情報】第322回2025年11月1日 -
酪農危機の打破に挑む 酪農家存続なくして酪農協なし 【広島県酪農協レポート・1】2025年10月31日 -
国産飼料でコスト削減 TMRと耕畜連携で 【広島県酪農協レポート・2】2025年10月31日 -
【北海道酪肉近大詰め】440万トンも基盤維持に課題、道東で相次ぐ工場増設2025年10月31日 -
米の1等比率は77.0% 9月30日現在2025年10月31日 -
2025肥料年度春肥 高度化成は4.3%値上げ2025年10月31日 -
クマ対策で機動隊派遣 自治体への財政支援など政府に申し入れ 自民PT2025年10月31日 -
(459)断食:修行から管理とビジネスへ【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月31日 -
石川佳純が国産食材使用の手作り弁当を披露 ランチ会で全農職員と交流2025年10月31日 -
秋の果実王 旬の柿を堪能 福岡県産「太秋・富有柿フェア」開催 JA全農2025年10月31日 -
「和歌山県産みかんフェア」全農直営飲食店舗で開催 JA全農2025年10月31日 -
カゴメ、旭化成とコラボ「秋はスープで野菜をとろう!Xキャンペーン」実施 JA全農2025年10月31日 -
食べて知って東北応援「東北六県絆米セット」プレゼント JAタウン2025年10月31日 -
11月28、29日に農機フェアを開催 実演・特価品販売コーナーを新設 JAグループ岡山2025年10月31日 -
組合員・利用者に安心と満足の提供を 共済事務インストラクター全国交流集会を開催 JA共済連2025年10月31日 -
JA全農と共同開発 オリジナル製菓・製パン用米粉「笑みたわわ」新発売 富澤商店2025年10月31日 -
【スマート農業の風】(20)GAP管理や農家の出荷管理も絡めて活用2025年10月31日


































