【森島 賢・正義派の農政論】沖縄で政権与党が全層崩落2018年10月1日
昨日の沖縄知事選は、オール沖縄の立憲、国民、共産、自由、社民、沖縄社会大衆党が一致して支援する玉城デニー候補の圧勝になった。自公の安倍晋三政権と維新、希望が推薦した佐喜眞淳候補は、予想以上の負け方で負けた。得票率は玉城氏が55%、佐喜眞氏が44%で、10%以上の差だった。
朝日、沖縄タイムス、琉球朝日放送の出口調査によれば、自公は支持者の票をまとめ切れなかったという。
安倍政権は、国政並みの力を入れ、幹部を次々に現地に投入したが、自民の支持者のうち78%しか佐喜眞氏に投票しなかった。公明は支持者は異例に少ない71%しか佐喜眞氏に投票しなかった。自公ともに支持者の反乱があった。
また、沖縄選管の発表によれば、全県のほとんど全ての市町村で、玉城氏が勝った。与党の全層崩落である。
上の表は、玉城氏の得票率を市郡別に示したものである。郡部の得票率のほうが市部よりもやや多いが、ともに過半数を超えている。14の市郡が過半数の得票率で、半数以下の市郡は5つしかない。つまり、農村でも都市でも全県から、まんべんなく支持を得た、と考えていいだろう。
◇
朝日などの出口調査では、選挙で最も重視したのは、基地問題で、安倍政権側がいう経済の活性化ではなかった。政権側は、辺野古の新基地建設問題を徹底的に隠そうとした。しかし、隠しきれなかった。
選挙で争点を隠すのは、安倍政権の特技である。隠しておいて、選挙が終わるとそれを実行する。騙し討ちである。だから、多くの世論調査をみると、安倍氏の人柄が疑われていて、安倍政権を支持しない理由の第一に上げられている。
しかし、こんどの選挙で、沖縄の人たちは、この隠蔽体質を許さなかった。
◇
こんどの沖縄知事選で注目すべきは、オール沖縄の力である。それを構成する各政党が、玉城氏の当選の一点にしぼって協力しあったことである。
この選挙態勢は、来年の参議院選で見習うことができる。それは、オール日本ではない。オール北海道であり......オール鹿児島である。とくに1人区での野党候補の一本化である。そのために地元でオールXXを作って協議をすることである。中央機関での調整はいらない。
そうすれば、参議院選で圧勝して安倍政権を追い詰めることができるだろう。そうすれば、衆議院の破れかぶれ解散で、政権奪取が早まるだろう。
◇
もう1つ注目すべきことがある。それは、佐喜眞氏が日米地位協定の改定を主張していたことである。玉城氏も賛成だろう。まさに沖縄の総意である。
これを見据えて、安倍政権が改定に着手するかどうか、それに加えて、辺野古の海の埋め立て中止を今後も続けるかどうか。国民は厳しく注視している。
(2018.10.01)
(前々回 石破氏の善戦)
(前回 自民党の課題は一強体制の改革)
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