もう騙されませんヨ【小松泰信・地方の眼力】2021年10月6日
10月4日岸田内閣が発足。次期衆院選は10月19日公示、31日投開票。真の新政権発足は11月からとなる。
まずは、岸田内閣発足に関する各紙世論調査の概要を整理する。
朝日新聞世論調査(10月4,5日実施、有効回答者数972人、太字は小松)
(1)岸田内閣については、「支持する」45%、「支持しない」20%、「その他・答えない」35%。
(2)今、衆院選の比例区で投票するのは、「自民党」41%、「答えない・分からない」24%、「立憲民主党」13%、「日本維新の会」6%、「公明党」5%、「共産党」4%、「国民民主党」2%、「社民党」1%など。
(3)安倍政権、菅政権を引き継ぐことについては、「引き継ぐ方がよい」23%、「引き継がない方がよい」55%、「その他・答えない」22%。
(4)新型コロナウイルスへの岸田首相の取り組みについては、「期待できる」47%、「期待できない」27%、「その他・答えない」26%。
(5)新型コロナウイルス感染再拡大については、「大いに心配している」37%、「ある程度心配している」47%、「あまり心配していない」12%、「まったく心配していない」3%、「その他・答えない」1%。
(6)岸田首相の経済政策については、「期待できる」42%、「期待できない」28%、「その他・答えない」30%。
(7)衆院選での与野党の議席については、「与党が増やした方がよい」17%、「野党が増やした方がよい」33%、「今とあまり変わらないままがよい」32%。
毎日新聞世論調査(10月4,5日実施、有効回答者数1035人、太字は小松)
(1)岸田内閣については、「支持する」49%、「支持しない」40%、「答えない」11%。
(2)岸田内閣の顔ぶれを見て、「期待感が持てる」21%、「期待感が持てない」51%、「わからない」28%。
(3)岸田政権への、安倍、麻生、両元首相の影響力の強まりについては、「プラスになる」23%、「マイナスになる」59%、「わからない」18%。
(4)新型コロナウイルスへの岸田政権の取り組みについては、「期待する」48%、「期待しない」28%、「どちらとも言えない」25%。
(5)衆院選小選挙区で投票したいのは、「与党」41%、「野党」34%、「まだ決めていない」24%。
(6)衆院選比例代表で投票したいのは、「自民党」34%、「まだ決めていない」23%、「立憲民主党」16%、「日本維新の会」8%、「共産党」7%、「公明党」6%、「国民民主党」2%、「社民党」1%など。
共同通信社世論調査(10月4,5日実施、有効回答者数1087人、太字は小松)
(1)岸田内閣については、「支持する」55.7%、「支持しない」23.7%、「分からない・無回答」20.6%。
(2)安倍政権、菅政権の路線の継承か転換かについては、「継承するべきだ」24.1%、「転換するべきだ」69.7%、「分からない・無回答」6.2%。
(3)新自由主義的政策からの転換をめざす岸田首相の経済政策については、「期待できる」46.6%、「期待できない」46.9%、「分からない・無回答」6.5%。
(4)森友学園問題の再調査については、「再調査するべきだ」62.8%、「再調査の必要はない」34.8%,「分からない・無回答」2.4%。
(5)衆院選での野党の選挙協力について、「期待している」36.1%、「期待していない」60.4%、「分からない・無回答」3.5%。
(6)衆院選比例代表で投票したいのは、「自民党」44.6%、「分からない・無回答」19.5%、「立憲民主党」14.9%、「日本維新の会」7.1%、「公明党」5.8%、「共産党」2.8%、「れいわ新選組」1.5%、「国民民主党」1.4%など。
世論調査が教える風向き
以上の3世論調査に基づけば、世の風向きは次のように整理される。
(1)岸田内閣への支持率は低い。ご祝儀相場を差し引くならば、菅政権末期から微増と推察される。
(2)いずれの調査においても、多くの人が、脱「安倍政権」を求めている。岸田内閣の支持率の低さは、安倍元首相の影響下にあることが影響している。
(3)コロナ対策、経済対策において、期待の声は少なくない。しかし、国民は、時の首相に「期待せざるを得ない」だけの話。現時点で確信を持って「期待」を表明できる根拠はない。例えば、コロナに関して、84%がコロナ感染再拡大に不安を覚えている。にもかかわらず、「期待する」が5割を切っていることがそのことを示唆している。
(4)だからといって、多くの国民が自公政権から現野党への政権移行を求めているわけではない。
(5)野党の選挙協力に6割の人が「期待していない」と回答していることを、野党は重く受け止めねばならない。
小沢一郎氏の見立てとパフォーマンス
愛媛新聞(10月6日付)で紹介されている、立憲民主党・小沢一郎氏への同紙単独インタビューは、次のように要約できる。
「岸田氏は悪い人ではないが、適任かどうかは別。自民の党役員や、閣僚の中にも問題を含む人がおり、いずれ表面化してくる。岸田氏のソフトでハト派的なイメージは、かなりうける。野党としてはやりにくく、非常に厳しい選挙になる。
野党は国民の心に響くような、将来に向けた強いメッセージを発信できていないので、期待が集まらない。これは野党の責任だ。野党の候補者は、有権者とふれ合う日常活動が足りていない。自民は選挙運動などを必死でやっている。政策提案と同時に、一人一人の有権者とのふれ合いを増やさなければ、支持されない」
前段に関しては同感である。後段は小沢氏ご本人も含めた野党への檄と受け取りたい。
「有権者とふれあう日常活動」の重要性は言わずもがな。問われるべきは、その日常活動から知った、国民の怒りや悲しみや苦難が軽減するように、どれだけ尽力したかである。自民が必死でやった日常活動の成果が、国民の怒り悲しみ苦難の増幅だとすれば、それは選挙目当ての罪深きパフォーマンス。そんなパフォーマンスに騙されて、惨めな思いをするのは終わりにしよう。
「地方の眼力」なめんなよ
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