【今川直人・農協の核心】産地化で役割が高まる農協の野菜取り扱い2025年3月3日
重要農産物
野菜は健康維持に不可欠な食料として年齢の高い層で多く摂取され、高齢化の進展に伴い相対的な需要量が増大している。農業産出額(庭先価格×生産量)に占める割合は畜産の39%に次ぐ25%で、米の15%を大きく上回っている。新規就農者のうち新規参入者の約半数が露地野菜、施設野菜に参入するなど農家に最も選好される部門であるが、2020年センサスで5年間で販売農家が3割近く減少している。また、家計消費から加工・業務用へのシフトが進み現在約6割が加工・業務用である。
農業政策は米麦に始まり、澱粉・甘味資源、畜産、青果(果樹・野菜)と熱量を考慮して展開されてきた。種類が多く突出した品目がないことも野菜が後位に置かれた要因であろう。しかし、土地・労働集約的で根強い需要に支えられていることから、農業振興の観点からも重要農産物となっている。
水田でも畑でも
野菜政策は二つに区分される。一つは水田活用の直接支払い交付金の対象としての野菜である。本作化を図る戦略作物と共に畑地化による「高収益作物」(野菜・果樹・花き等)が助成の対象である。
今般発表された水田利用から作物本位への政策転換は水田の畑地化を促す側面を持つ。これに対応する行政の認識は「汎用化」である。しかし、米粉や飼料用米の拡大、さらには備蓄・輸出を考慮すれば、現在の水田面積はすでに危険水位にある。
もう一つは園芸部門としての野菜政策(他は果樹)である。価格安定対策はじめ多くの事業があるが、二つの方向性を見出すことができる。
一つは加工・事業用の重視である。需要が増え国産シェアの低下が続くことから、加工・事業用野菜の周年安定供給が大きな課題になっている。産地育成と、産地と実需者の連携構築の二つが具体策である。前者は加工特性の高い品種の選定、作柄安定技術の導入、農業者団体等による集出荷貯蔵施設や冷凍野菜の加工・貯蔵施設等の産地の基幹施設の整備の支援等である。農協の共同利用施設の集約再編もこの基幹施設整備の一環である。後者は実需とのつながりの核となる拠点事業者と産地が連携し、生産から流通に至るまでの付加価値の増大と課題解決に必要なソフト・ハードの取組を一体的に支援する食料システム(フードヴァリューチェーン)の構築である。実需者と産地のマッチングのための全国的な取り組み、複数産地と実需者の連携によるサプライチェーンの構築、生育予測システムや集出荷システムの導入、システム連携、電子タグ付き大型コンテナのリース導入などがその事業内容である。
もう一つの方向性は、緑の農業システムやスマート農業の推進など時代の趨勢に沿う取り組みの深化である。データ駆動型の栽培体系への転換によるコスト低減、化石燃料から地域資源・再生可能エネルギーを活用した施設園芸(スマートグリーンハウス)への転換等を推進する事業が進められている。
組合員の主体的取り組みと品質の維持
30品目を超える政策対象のある野菜は産地(団地)を単位とする生産体制に向かい、多くの政策が農協を含む地域的推進体制を前提に仕組まれている。一方、品目の多彩さは農協の品目ごとの事業体制すなわち部会による自主的な取り組みを必然としている。「JAなすの」では、九つのブランド野菜が、4つの任務を分担する専門委員会を持つ部会を中心に生産・販売されている。広域農協であるが野菜は少量多品目取り扱いに属し、委託販売により卸売市場に出荷している。最近、卸売市場から農協に最も注文が多いのは生産管理(品質・鮮度・均質・安定出荷)とのことである。
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