JAバンク担い手金融リーダー全国大会開催-農林中央金庫2016年1月22日
農林中央金庫は1月21日に第11回JAバンク担い手金融リーダー全国大会を開催した。
今回はJAバンクの担い手金融リーダーだけでなくJAのTAC職員ら約230人が参加。「大規模化する担い手への対応力強化に向けた事業間連携態勢の構築・強化」をテーマに基調講演やグループ討議を行った。
主催者あいさつで農林中央金庫の山田秀顕常務は「農業者のニーズが経営相談から事業承継、後継者育成、販路拡大、輸出サポートなど大変多種多様になっている」ことを指摘、28年度からの新JAバンク中期戦略では「JAバンク自己改革の完遂を掲げ、農業を支えるJAバンクとの評価がしっかり得られるよう確実に成果につなげていく。
この大会では営農、信用の垣根を超えて交流をしてほしい。JAバンクが日本農業に欠かせない存在として今後も適切に機能を発揮し続けるために担い手金融リーダー、TAC職員の尽力が不可欠」と期待を寄せた。 来賓の農林水産省の山口靖金融調整課長は「政府は昨年TPP関連総合政策大綱を決め今年から農政新時代の取り組みを強化をしていく必要がある」としたうえで、「JAバンクは農業者融資の6割を供給している。農業者の所得向上、地域経済の発展のために力を大きく発揮する時期が来ていると思う。
担い手のニーズに対応した融資のほか、経営相談、販路サポートなど非金融面での支援もこれまで以上に求められている。農水省としても連携しこれまで以上に積極的に農業を成長産業化を加速させていかなければならないと考えている」などとあいさつした。 大西茂志JA全中常務は、第27回JA全国大会で決議した「創造的自己改革」について「この実践は現場のさまざまな課題をしっかり見据えて解決策を導き出していくこと。日々感じている課題を出しJAの事業計画のなかに解決策の提案を打ち出してほしい」と期待を寄せ、中央会としては現場から積み上げた政策提案と人材育成と担い手サポートセンターによるJA支援などに力を入れるとした。また、担い手対応の視点として「総合JAの力を発揮し現場のさまざまな悩みや要望を聞き取って、そこにJAの総合力を発揮していくことが大きな役割」と強調した。
基調講演は有限会社ぶどうばたけの三森かおり取締役が「オールジャパンの農業界へ」と題してJAに期待することなどを話した。
三森氏は1次産業が地方創生の主体であるべきと強調し、農業の価値を伝える教育、都市農村交流、農村側の受け入れ体制の構築などが重要で、JA改革についても「農家が相談しやすい、使いやすい組織になること。農家が儲かる仕組みを考えること」が期待されるとし国民にとっても分かりやすい組織であってほしいと話した。
大会では農林中金の山田勝己農林水産環境統括部長が次期JAバンク中期戦略の考え方などを報告したほか、JA全農の久保省三営農販売企画部長がTACの活動について現状を報告したうえで▽JAのTAC活動のレベルアップ、▽生産販売のマッチング、▽農業法人への対応強化と担い手組織の接点づくりの3項目を今後の基本目標とすることなどを話した。
(写真)基調講演・三森かおり(有)ぶどうばたけ取締役、来賓・農林水産省 山口靖金融調整課長、来賓・JA全中 大西茂志常務理事、主催者あいさつ・農林中金 山田秀顕常務理事
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