優先出資を自己取得 農林中央金庫2022年8月31日
農林中央金庫は8月30日、優先出資を自己取得することを決定したと発表した。
農林中央金庫は自己資本比率の充実や調達手段の多様化を図るため普通出資を補完する位置づけで優先出資を発行していた。
優先出資発行前の資本金は普通出資の1000億円のみで1995年に取引先に対して私募形式で優先出資を発行し、32社から約500億円の優先出資を得ていた。
その後、資本は増え今年3月末時点で約4兆円となり、普通出資を補完するという優先出資の位置づけが変化した。また、金融規制の強化によってバーゼルⅢ規制では普通出資より資本性が劣後する「その他Tier1」資本に位置づけられることや、コーポレートガバナンスコードの導入などで優先出資の保有継続が困難になりつつあることなどから、発行済みの優先出資を農林中央金庫が引き受け、自己優先出資とすることにした。
優先出資の保有は、法令上、消却目的に限られているため、取得した優先出資は行政庁の認可を受けて消却する。
今後は優先出資者に対して買取募集を行うなどの手続きを進める。年度内には一連の対応が終了するとしている。
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