農林中金 純損失8939億円 自己資本比率は上昇 2024年度半期決算2024年11月20日
農林中央金庫は11月19日、2024年度半期決算を発表した。農林中金は今年度、財務基盤を強化するため低利回りの資産を売却しており、半期決算では売却損の計上でこれまでにない8939億円の純損失を計上した。
奥理事長
ポートフォリオ(資産構成)の改善に向けて農林中金は今年度、10兆円程度の低利回り資産を売却している。
半期決算の経常収益は資産売却による運用収益の減少で前年同期比▲4610億円の1兆863億円となった。一方、経常費用は同+5833億円の1兆9452億円となった。
その結果、経常利益は同▲1兆444億円の▲8588億円、純利益は同▲1兆383億円の▲8939億円の純損失となった。総資産は資産売却で3月末から8.1兆円減の91.7兆円となった。
一方、会員の協力で1.3兆円の資本増強を行うこととしており、9月末には既往の永久劣後ローン約0.7兆円を償還した後、新たに後配出資7360億円を割り当てた。
また、低利回り資産売却によって有価証券評価損が9700億円改善し▲7973億円となった。
こうしたことから自己資本比率は普通出資等Tier1比率は3.74%上昇し20.17%、総自己資本比率は1.12%上昇し22.35%となった。
奥和登理事長は資産売却や資本増強などの取り組みをふまえて「2025年度の黒字化が十分に見通せる財務の土台が整った」と話し、下期は2026年度以降の収支を底上げするため「もう一段踏み込んだポートフォリオ(資産構成)の改善をしたい」と、当初予定の10兆円を超える低利回り資産の売却をする考えを示した。その結果、当初、通期で1.5兆円程度の純損失となるとしていたが、1.5兆円から1.7兆円程度などの見込みも示した。
下半期は資本増強を土台に幅広い資産に投資を実行する。また、約0.6兆円の期限付劣後ローンの新規借入れも年度内に実行する予定だ。
奥理事長は「会員、利用者に大変心配をかけていることを申し訳なく思う。早期に改善を図りJAバンクをしっかり支えることができる財務となった。引き続き安心してJAバンクを利用してほしい」と述べた。
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