主食用米50万t需給改善-JA全農調べ2015年7月31日
JA全農は7月30日の通常総代会で「27年産米価格の水準回復に向けた本会の取り組みの考え方」を公表した。JAグループは飼料用米の大幅な増産など主食用米の価格回復に取り組んでいるが、全農の調べでは需給改善効果として50万t水準に達していることを明らかにした。
JA全農は27年産米では主食用米から他品目への転換、米価水準の安定化に向けた取り組み、消費の拡大策を総合的に進めている。
このうち他品目への転換については飼料用米60万tへの生産拡大を目標に掲げたが、全農調べでこれまでに▽飼料用米は前年産のほぼ倍増となる38万t程度、▽麦・大豆・WCS作付けの拡大=米換算で6万t、▽備蓄米買入数量が拡大=5万tとなっており、主食用米の需給改善効果としては50万t程度に達しているという。
全農は需給改善を確実にするには主食用米の生産抑制をさらに進めることが必要なことから、最後まで徹底した推進に取り組むことが重要だとしている。
米価水準の安定化に向けた取り組みでは事前契約(播種前・収穫前・複数年契約)の積み上げに取り組んでいる。
目標は140万tに設定。6月以降、基準価格は農水省公表の各産地銘柄の相対取引価格の5中3平均(5年間うち、最高値と最低値を除いた平均価格)を基本に、値幅は10%として取引先に推進している。
概算金の設定に向けては、飼料用米など需給改善の取り組み状況や事前契約の状況を分析し、統一的な情報として本所と各県域で共有化をはかる。 そのうえで▽ロット値引きなど過度な値引きの見直し、▽運賃コスト負担の縮減、▽追加払い財源の概算金への盛り込みなどに取り組み「極力高い水準での概算金設定」に向けて、JAと十分協議して決定する方針だ。 なお、26年産米について、10月末以降の持ち越し数量は39万tと前年を10万t上回る見込み。このため持ち越される米については米穀機構の「売り急ぎ防止支援事業」を活用し、計画的に長期販売することにしている。
米の安定価格・安定取引のためには卸や実需者との連携強化も重要になっている。
(関連記事)
・27年産概算金 追加払い盛り込み設定-JA全農 (15.07.03)
・米の事前契約拡大で相場形成 JA全農 (15.05.22)
・政府備蓄米 24万8000t超の落札量に (2015.05.21)
・飼料用米の生産費 5割減目標 農水省 (2015.05.12)
・米の小売価格5kg1824円 米の消費動向 (2015.05.12)
重要な記事
最新の記事
-
どこまで理解しているのか小泉大臣【小松泰信・地方の眼力】2025年6月25日
-
フードバンク、子ども食堂への備蓄米無償交付を追加 農水省2025年6月25日
-
【人事異動】農水省(6月23日付、24日付、25日付)2025年6月25日
-
ブラジル向け精米 検疫条件が緩和 農水省2025年6月25日
-
【JA人事】JA福山市(広島県)占部浩道組合長を再任(6月24日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAとうと(岐阜県)古川敏之組合長を再任(6月20日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAいずみの(大阪府)谷口敏信組合長を再任(6月25日)2025年6月25日
-
【JA人事】JA松任(石川県)得田恵裕組合長を再任(6月21日)2025年6月25日
-
【JA人事】JAハリマ(兵庫県)柴原利春組合長を再任(6月21日)2025年6月25日
-
エンゲージメント向上へ若手職員がプロジェクト 「目安箱」設置も JAさいたま2025年6月25日
-
土壌診断研修会(基礎編)を開催 JA全農みえ2025年6月25日
-
みえの米ブランド化推進会議総会を開催 高温耐性「結びの神」拡大へ JA全農みえ2025年6月25日
-
「2025愛媛みかん大使」募集中 JA全農えひめ2025年6月25日
-
第53回通常総代会を開催 JA鶴岡2025年6月25日
-
青森県産 稀少な大玉さくらんぼ「ジュノハート」を数量限定販売 JAタウン2025年6月25日
-
【農と杜の独り言】第1回 国際園芸博覧会とは 千葉大学客員教授・賀来宏和氏2025年6月25日
-
アズキの遺伝子の知見を利用 ダイズのさやの弾け難さを強化 農研機構2025年6月25日
-
「水稲移植栽培における除草剤体系処理によるナガエツルノゲイトウ防除技術」SOP公開 農研機構2025年6月25日
-
"カメムシ急増"に天然成分100%の「モスガード スプレー」 第三者機関の試験で一定の効果 たかくら新産業2025年6月25日
-
近赤外分光とAI活用の次世代土壌分析サービスを開始 片倉コープアグリ2025年6月25日