【米の食味ランキング】猛暑の影響で東北、北陸でランク落ち 新潟30年ぶりに「特A」1つに 日本穀物検定協会2024年3月1日
(一財)日本穀物検定協会は2月29日、令和5年産米の食味ランキングを公表した。最上級の「特A」にランクされたのは43産地品種(4年産は40)で前回より増えた。ただ、昨夏の高温と少雨などの要因で、東北の日本海側と北陸ではランクを落とす産地品種が多く、新潟県では30年ぶりに「特A」の産地品種が「魚沼コシヒカリ」のみとなるなど、猛暑が影響した。一方、特Aにランクされた産地品種のうち、高温耐性品種が昨年の22から25に増えるなど、米づくりでの高温対策が特Aランク数を維持していることも示された。
米の食味ランキングは今年で53回目。道府県から選出された144産地品種(昨年は152)について昨年11月から今年2月まで食味官能試験を行った。
同ランキングは5段階評価をするが、5年産米は「特A」が43(昨年40)、「A」が78(同91)、「A'」が23でB、B'は該当なしとなった。
昨年の猛暑による特Aランク数などへの影響が懸念されたが、全体としては大きな変動はなかった。ただ、特AからAなどランクを落とした産地品種は全体で27産地品種あり、このうち東北が11、北陸が3と計14産地品種を占め同地域の猛暑の影響が出た。とくに新潟では7月下旬から高温と少雨、フェーンと熱帯夜の影響で10年連続で特Aランクだった上越コシヒカリがAへとランクを落とし、同県の特Aは魚沼コシヒカリだけなった。これは平成の大不作だった1994年以来、30年ぶりのことになる。
日本穀物検定協会は「水管理、栽培管理は同じように行われてきたが、これまでにない気象条件で白未熟粒が多発するなど食味に影響したのでは」とみる。
一方、関東以西は大きな影響はなかった。Aから特Aにランクアップした12産地品種のうち、8産地品種が長野、滋賀、兵庫、島根、佐賀、大分、鹿児島が占める。
また、高温耐性品種は昨今の猛暑に順応できていることもうかがえ、特Aの43のうち25産地品種を占める。東北でも特Aの7産地品種のうち4つを占める。同協会は「より高温耐性品種が必要になっているのではないか」と話す。
今回の特Aランクのうち、高温耐性品種は「いちほまれ」「おいでまい」「きぬむすめ」「元気つくし」「にこまる」など14品種。
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