2025年産米集荷 3万5000円台の攻防「まるでバブル」 商系業者が高値主導2025年9月4日
2025年産の新米の集荷をめぐる市場の過熱が止まらない。商系業者からは「60kg3万5000円台の攻防戦になっている」との声が聴かれる一方、「総合的にみて需給は緩む方向にあり、依然暴落リスクがある」とも見方もくすぶる。ただ、今のところ「下がる前に買ってもらいたい」「下がる前に売り抜ければいい」との思惑が先行し、米価高騰に歯止めがかからない状況だ。
他県から来た業者が買い集め
栃木県では2024年、近県の集荷業者が「60kg当たり2万5000円」の価格を提示し、集荷に来た。JA系統の概算金(委託販売で預かる米を集荷する際支払う仮払金の額)は1万6300円だった。農家の軽トラが列をなして売りに行った。
全農とちぎは今年、JA概算金を2万8000円に思い切って引き上げた。以前から集荷に携わる全国主食集荷協同組合連合会(全集連)加盟の老舗集荷業者も、同額を提示したとされる。それに対し、「他県業者が農家に3万3000円を提示した」という話が飛び交い、他県から来た別の商系業者も高値を示して大規模な生産者を回る動きがある。
過熱の主因と乖離した農水省の報告徴求
「なぜ、そこを調べないのか」。全集連関係者が疑問を呈する。
「そこ」というのは、高値を提示して米を集めていく県外業者を指す。「農水省はJA、全農や全集連加盟の集荷業者に罰則付きで概算金や買取価格を報告させると決めたが、米価をつり上げているのはJAでも全集連でもない。アウトサイダーの業者だ。米価高騰の原因を調べるなら、そうした業者こそ調べるべきだ」
マスコミでは、全農県本部やJAが概算金を引き上げたために2025年産米の価格が上がるという報道が散見されるが、現場の様相は違う。JA系統はたしかに、生産コストが高止まりないし上昇する中、再生産可能な手取りを農家が安定して得られるよう努力を重ねているが、再生産コストの水準を超えて足元で概算金が上がっている主因は集荷競争過熱にある。北関東の集荷業界関係者は「米が集まらないので、JAが引っ張られ、結果的に概算金も上がっている」と現在の構図を読み解き、「まるでバブルだよ」と語った。
「まるでバブル」なクリスタル取引会
バブルのような相場が浮き彫りになったのが、8月28日のクリスタルライス取引会(米取引の場であるとともに、取引の現況を示す指標としても機能)だった。約3472tが上場され、価格の加重平均は60kg当たり3万4849円(税抜き)。前年比35%アップの高値となった。この金額は売り手からの提示額だが、半分が成約したという。
北関東の集荷業界関係者は「集荷業者が米卸に売る価格がこんな高値では、スーパーなど小売でも、中食・外食でも、米離れや輸入米浸食が進みかねない。適正な水準とは思えません」というが、多くの取引関係者に共有される思いだろう。
需給緩む方向は変わらず
過熱はいつまで続くのか。少なくとも、主産地の収穫と検査が進み、作柄が明らかになるまでは続くとの見方が有力だ。主産地の作柄が平年並み以上で、作付面積が増えた分、収量も増えるとわかれば米価が下がっていくが、猛暑や渇水、イネカメムシ被害もあり、現時点では作柄は見通し難い。
主産地の作柄が平年並みだと収量は50万t以上増え、政府備蓄米も合計すると70万t近く市場に出回っていく。輸入米も、今年前半だけで6万tに及ぶ。これらを単純に合算すると、2026年6月末在庫は適正在庫量である180~200万tを大きく超えるのは必至で、「そこで手を打たなければ暴落しない理由がない」と見る取引関係者は多い。
急落時には備蓄米の機動的買い戻しを
JA全中は、出来秋以降に政府備蓄米の放出などで大幅な需給緩和や、米価下落が起きた場合には「随意契約分も含め、売渡した政府備蓄米の買い戻し・買い入れを機動的かつ適切に行い、適正備蓄水準までの回復をすすめること」を政府に要請している。北関東の集荷業界関係者は「いざという時、政府が買い戻せるためにも、全農にはしっかり集荷してほしい。備蓄米の入札による売り渡しで農水省は、安く買った備蓄米を高く売って稼いだ。だから、買い戻す際は市場価格で買ってほしい。何としても暴落は回避し、農家が再生産可能な手取りを安定させることが重要だ」と力説した。
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