2025人事バナー縦
JA全農人事情報
左カラム_病害虫情報2021
新聞購読申込 230901
農協研究会
左カラム_コラム_正義派の農政論_pc
左カラム_コラム_米マーケット情報_pc
左カラム_コラム_地方の眼力_pc
左カラム_コラム_食料・農業問題 本質と裏側
左カラム_コラム_昔の農村・今の世の中_pc
左カラム_コラム_花づくり_pc
左カラム_コラム_グローバルとローカル_pc
左カラム_コラム_TPPから見える風景_pc
左カラム_コラム_ムラの角から_pc
ヘッダー:FMC221007SP
日本曹達 231012 PC
FMCプレバソンSP

【Jミルク新執行部発足】需給対応に手腕注目、需要拡大目標設定と全国参加基金2025年6月24日

一覧へ

酪農乳業の生・処・販で構成するJミルクは定時総会で2024年度事業報告、決算を決めるとともに、理事会で事業運営の「司令塔」である専務を新任した。生乳需給は難しい局面を迎えている。業界最大の課題である「需要拡大」に向け数値目標設定と実践、全国参加型需給調整の基金対応など、新執行部は難しいかじ取りを迫られる。(農政ジャーナリスト・伊本克宜)

写真=生乳需給の難しい局面でJミルク新執行部が船出。「原点に返り写真=生乳需給の難しい局面でJミルク新執行部が船出。
「原点に返り"乳の価値"を訴える」と強調する大貫陽一会長(森永乳業社長)。
右は渡辺裕一郎新専務(2025年6月19日、定時総会後の会見で)

■8月牛乳値上げ、ミルクの価値訴え

生乳需給ギャップが広がる中で、Jミルクの役割が一段と高まっている。

19日の総会後の会見で、2025年度からスタートした新酪肉近下の生乳需給環境、8月の飲用乳価値上げの影響を問われた大貫会長は「Jミルクの使命は酪農乳業の価値を高め業界の発展に資することにある。8月の飲用乳価引き上げに伴う動向に注視したい。米価の高止まりで消費者の節約志向も強い。原点に返り、乳の価値を訴え新酪肉近の中心課題に位置付けられた牛乳・乳製品の需要拡大に総力を挙げたい」と強調した。

■酪農現場安心の環境どうつくる

また会見でJミルク副会長の隈部洋全酪連会長は新酪肉近と生産現場の実態を説明した。西日本最大の酪農地帯・熊本出身の隈部副会長は「酪農の現場では廃業が増えている。こうした中で厳しい経営環境に耐え残った酪農家でしっかり生乳生産をしていくことが欠かせない」と指摘。そのうえで「安心して搾乳できる環境づくりをどう構築していくのか。生乳全体の需要が1200万トンあることを踏まえ、国産化率を上げ消費拡大に向けJミルクの強みである生・処・販の関係者挙げた取り組みが必要だ。その先に酪肉近の10年先の生産目標780万トンがあると認識している」とした。

■難題山積の中、異例の農水省出身専務

当面の需給対応が最大解題となる中で、常勤役員で組織・事業運営のかなめとなる専務が交代した。今年度は新酪肉近スタート、さらには改正畜安法の課題是正へ農水省補助事業採択への「需給」対応を要件としたクロスコンプライアンス導入、Jミルクの需給調整新基金対応など重要案件が山積している。

渡辺専務は会見で「Jミルクは生・処・販一体で業界全体の課題などに対応する他の業界にはない稀有な存在だ。持続可能な酪農乳業を目指し"架け橋"の役割をこれまで以上に果たしていきたい」と抱負を述べた。Jミルクはあくまで民間で構成する団体であり独自性、自主性が欠かせない。農水省との連携と役所との距離感も含め、難題が山積する中での手腕に注目が集まる。

■「需要拡大」KPIへ7月業界集約

自民党などの要望も踏まえ、「需要拡大」へJミルクは目標数値などKPI策定を検討していく方針だ。

具体的には、2025年度下期の需要拡大の取り組み方向として3段構えを想定している。6~7月に業界内で活動検討と意見集約。下期に向け8~10月には「需要拡大」の牛乳料理レシピの情報発信、脱粉在庫削減も踏まえ業界挙げたチーズ、ヨーグルトPR、11~2026年3月には11月の都内イベント実施を皮切りに全国で25年度下期活動を実施していく。

■非系統包含した155億円「全国参加型基金」の行方

Jミルクは今年度からの生乳需給変動に対応した基金造成の特別事業を決めた。7年間、最大155億円規模。常設で業界自らがこれだけの規模で需給対応基金をつくるのは、他作目を含め前例がない。飲用牛乳にほぼ特化し傘下酪農家は増産を進め需給混乱の一因ともなっている非系統業者にも参加を呼び掛ける。

3月19日のJミルク臨時総会後の会見で大貫会長は「全国の酪農家、関係業者に今回の新たな生乳セーフティーネット(安全網)への参加を呼び掛ける」として、北海道で生乳集荷シェアを拡大しているMMJなど非系統の自主流通業者、指定団体に出荷していない酪農家も含め、全国規模の基金拠出を求めていくとした。

事業名は「酪農乳業需給変動対策特別事業」。生産者と関係業者に一体で、これだけ大規模の基金造成は初めて。生乳需給はこれまでも一定の間隔で過不足を繰り返してきた。特に過剰時には主産地・北海道での減産などで大きな政治問題に発展している。こうした過去の反省も含め、基金造成となった。

想定している財源規模は、コロナ禍で脱脂粉乳過剰在庫など生乳需給緩和となった2022年度からの3年間の対策などを踏まえ、2025年度から31年度までの7年間で最大155億円規模となる。計算上は単年度22億円強となるが、年度ごとの需給状況や生乳生産量で異なる見通し。財源拠出単価は生乳キロ当たり15銭。拠出割合は生産者と乳業者が1対1とするが、乳業メーカーの積極的参加を促すためプラス5銭の最大20銭の枠組みを作る。

Jミルク新執行部発足

重要な記事

ヤンマーSP

最新の記事

250611_AGTS農業展_sp

みどり戦略

Z-GIS 右正方形2 SP 230630

注目のテーマ

注目のテーマ

JA共済連:SP

JA人事

JAバンク:SP

注目のタグ

topへ戻る