29年度生乳生産量 前年比98.8%の見込み-Jミルク2017年2月1日
(一社)Jミルクが1月27日に公表した29年度の生乳・牛乳乳製品の需給見通しによると全国の生乳生産量は727万tで前年比98.8%となる見込みとなっている。
北海道では生産の主力となる2~4歳の乳牛頭数が下期には前年度水準となることから生乳生産量はほぼ前年並み(391万t、前年比100.2%)だが、都府県は前年度を下回る見込み(366万t、同97.2%)。その結果、全国の年度計では同98.8%の見込みとなった。
Jミルクでは乳用牛への黒毛和種交配率の現状水準(全国35.4%、28年7~9月期)が続くと、中期的な今後の生乳生産量は引き続き毎年1%程度減少するおそれがあるとしている。
こうした動向をふまえて国、酪農乳業関係者は引き続き畜産クラスター事業など生産基盤強化の諸施策の着実な推進と、生産現場で取り組んでいる供用期間延長に向けた飼養管理の徹底、さらに29年度から酪農乳業界が連携して推進する乳用牛輸入等の緊急的な取り組みを積極的に推進する必要があるとしている。
一方、29年度の牛乳類の消費は、前年度とほぼ同水準で下げ止まり基調となるとともに、発酵乳は引き続き安定した需要が見込まれることから、飲用等向け生乳需要量は402万t、前年比99.7%の見込みとなっている。 Jミルクでは国産牛乳の需要をさらに底堅いものにするため、牛乳乳製品の価値訴求、価格競争から価値競争への転換、新たな高付加価値商品の開発などによる競争力強化を図る取り組みを積極的に推進し、国内乳資源の価値向上に努めることが重要だと強調している。 生乳生産と飲用等向け需要見込みをふまえると、29年度の乳製品向け生乳供給量は319万tで前年比97.7%となる見込み。その結果、脱脂粉乳・バターの国内生産量は減少する見通しだが、乳製品向け需要はほぼ前年並みと見込まれるため、乳製品の国内需給はひっ迫する見通しとなっている。 このため農水省は1月27日にカレントアクセス分に加え、バター・脱脂粉乳をそれぞれ年度計で1万3000t輸入する予定を明らかにした。
ただ、最近の国際乳製品価格は再び上昇基調に転じていることから、Jミルクは牛乳乳製品の需給環境は従来以上に不安定になることが危惧されると指摘し、国内生産基盤の維持・強化や競争力強化など合わせ、消費者に的確な需給情報の提供も重要だとしている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































