配合飼料価格 1トンあたり4700円値上げ 4期連続値上げ2021年6月18日
JA全農は6月18日、7~9月期の配合飼料価格を4~6月に対して全国全畜種総平均で1トン当たり4700円値上げすると発表した。改定額は地域別、畜種別、銘柄別に異なる。値上げは昨年10~12月期から4期連続。

配合飼料価格高騰の要因はトウモロコシなど飼料穀物価格の相場上昇にある。中国が昨年後半からトウモロコシを大量に買い付け始めた。
トウモロコシのシカゴ定期は3月には1ブッシェル(25.4kg)5.4ドル前後で推移していたが、南米産地の乾燥による作柄悪化懸念や、4月に米国農務省が期末在庫率見通しを下方修正したこと、さらに中国からの強い引き合いを受けて同7.3ドルまで上昇した。
その後、米国で生育に適して天候が続いていることから下落し、現在は6.7ドルを超える水準となっている。また、相場に加算される内陸からの集荷コストは南米産新穀へ需要がシフトし始めているものの、米国産旧穀の需給はタイトであり底堅く推移している。
今後の見通しについて全農は、米国の夏場の受粉期に向け天候に左右されるものの、引き続き中国向けの旺盛な輸出需要が見込まれることや、期末在庫が低水準であることから「相場は堅調に推移するものと見込まれる」とする。
大豆粕のシカゴ定期は3月には1t440ドル前後だったが、中国向けの輸出増大で大豆の期末在庫率が歴史的な低水準となったことに加え、米国の天候不良による作付け遅れ懸念から480ドル台まで上昇した。その後、作付けが順調に進んだことから現在は430ドルまで下落している。国内の大豆粕価格は為替が円安のため値上げが見込まれる。
海上運賃は1t70ドル前後。2月には55ドル前後だった。原油相場が高止まりしていることや、南米産穀物の輸送需要が本格化することから海上運賃は堅調に推移するものと見込まれるという。
外国為替は3月には108円前後で推移していたが、米国の追加経済対策による経済活動回復への期待感の高まりや、好調な経済指標から円安が進み、現在は109円台で推移している。今後は一進一退の相場展開を見込んでいる。
JA全農は国産飼料用米の利用、生産者の生産性向上支援などに取り組んでいくとしている。
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