コロナ禍の長期化と牛肉需要変化を分析 農中総研 2022年5月12日
新型コロナウイルス感染症の拡大が広く農業に打撃を与えているが、コロナ禍の長期化がもたらす牛肉需要の変化について、農林中金総研の長谷川晃生主席研究員が「調査と情報」2022年5月号で分析している。
2021年の牛肉の推定出回り量は前年比2.4%減で需要減退分が輸入牛肉の減少となり、同2.6%減となった。
一方、豚肉、鶏肉は国産、輸入とも増加した。輸入鶏肉は同11.3%増だという。
牛肉需要は21年になると世界的な回復で国際相場が上昇したことや、全般的な輸入品価格の高騰で減退がみられ、今年1月~2月期の家計での牛肉消費量は前年同期比で1割程度減少していることを指摘している。その一方で鶏肉10.5%増、豚肉7.8%増となっており、長谷川主席研究員は「安価な食肉へのシフトが加速し牛肉需要の低迷が常態化していく可能性」を指摘している。
そのなかで和牛については好調な輸出と、国内販売への政策支援があって需給バランスが保たれてきたが、今後はさまざまな食料品の値上げによる和牛需要への影響や、配合飼料価格の高騰などをふまえ、和牛需給の動向を注視していく必要があると指摘している。
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