「和牛受精卵」移植のノースブル ⿅児島県に受精卵の生産・買取の拠点を開設2022年6月3日
和牛受精卵を⽣産・販売・移植・技術開発する株式会社ノースブル(宮城県仙台市)は、日本有数の和牛生産地である鹿児島県に和牛受精卵の生産・買取の拠点を設立。5月12日に県の家畜人工授精所の開設許可を得た。
培養士による顕微鏡で受精卵を確認(左)と、獣医師が和牛の体内から受精卵を回収(採卵)しているところ
受精卵移植は、和牛から採取した受精卵を乳牛に移植し、乳牛から和牛を出産させる"代理母出産"の技術。大きな設備投資は不要で、和牛農家は受精卵を生産することが、また、酪農家は和牛の子牛を生産することが新たな収入源となり、双方の収益増につながる技術として期待されている。一方、工程の専門性の高さや技術者不足が足枷となり、20年前から存在する技術であるにも関わらず普及率は和牛全体のわずか1割以下にとどまっている。
この課題を解決するため、同社は優れた技術者の育成に注力している。獣医師3人、移植師2人、培養士2人が在籍し、それぞれが同時進行で作業を行い作業時間を大幅に短縮。高品質な受精卵をより安定的に提供することで、受精卵移植実施数の底上げに貢献している。

このほど、需要に対して供給が不足している和牛受精卵を増やし、受精卵技術をもっと身近に、利用できる体制を整えるため、日本有数の和牛の産地である鹿児島県に和牛受精卵の買取・生産の拠点を開設した。宮城県以外で拠点を開設するのは、今回が初となる。
鹿児島支所には、地元鹿児島県出身の職員を配置。体内受精卵の生産を中心に行うほか、生産した受精卵の買取も積極的に行う。また、今後九州地方の顧客ニーズに合わせ、体外受精卵の生産拠点としての展開も視野に入れて取り組む。
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