畜産クラスター事業で悪臭・排水の出ない糞尿資源化装置「ERS」導入 山口県酪2022年12月19日
株式会社JETは12月16日、同社が製造する急速発酵乾燥資源化装置ERSシステムが、山口県酪農農業協同組合が取組主体となる畜産クラスター事業に採用されたことを発表した。
ERSシステムによる糞尿処理イメージ図
畜産農家、農業協同組合、地方自治体など地域の畜産に関わる関係者が共通に抱える悩みは、家畜排せつ物に起因する「悪臭」、「汚水(地下水汚染)」、「害虫」の問題に対する地域住民からの苦情。農林水産省によると、これら3つの問題は畜産農家に対する苦情内容の約85%を占める。
こうした状況の中、山口県酪農農業協同組合は、「地域住民から苦情の出ない家畜排せつ物の適切な処理」のために最適な装置を3年近く探し続けていたところ、JETが業務提携する長州産業からERSシステムの提案を受けた。山口県酪は、ERSの使用により悪臭や排水を出さずに1日で糞尿を殺菌・発酵処理できるという点に大きな魅力を感じ導入を決定。また、計3回実施した近隣住民向けの新規牧場事業計画説明会で、ERSを使った環境配慮型糞尿処理に対する住民の理解と期待感を得られたことも、導入の決定要因となった。
山口県酪は、畜産クラスター事業「畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(施設整備事業)」を活用し、乳牛300頭から発生する糞尿約22.5トン/日を殺菌・発酵処理できるERSシステムを導入。成果物として生成された液肥は、既存の堆肥舎である下関市営堆肥化処理施設に搬送し、「発酵促進剤」として利用する。
また、ERSの殺菌・発酵処理では含水率の調節が可能であるため、液肥だけでなく乾燥した固形堆肥(含水率20~60%)の生成も可能。今回のケースでは、あえて含水率を80%程度に設定して液肥を生成し、わら・おが粉と今までの堆肥とを混ぜ合わせることで、従来よりも短期間で固形堆肥を生成する仕組みを構築する。液肥だけでなく必要に応じて固形肥料の生成も1つの装置システムで完結できることは、ユーザーのメリットとなる。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】斑点米カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 石川県2025年7月4日
-
(442)エーカレッジ(作付面積)から見る変化【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年7月4日
-
【JA人事】JAながさき県央(長崎県)里山耕治組合長を再任(6月27日)2025年7月4日
-
人的資本を人事制度で具体化する 「令和7年度 人事制度改善セミナー」開催 JA全中2025年7月4日
-
「有機薄膜太陽電池」で発電した電力 ブドウの着色に活用 実証実験開始 山梨県2025年7月4日
-
株主優待制度を新設 農業総研2025年7月4日
-
夏の訪れ告げる初競りの早生桃 福島県産「はつひめ」販売 青木フルーツ2025年7月4日
-
ニッテン「スズラン印」ロゴマークをリニューアル 日本甜菜製糖2025年7月4日
-
「国際協同組合年」認知度調査「生協に参加したい」が7割 パルシステム2025年7月4日
-
洋菓子のコロンバン主催「全国いちご選手権」あまりんが4連覇達成2025年7月4日
-
野菜わなげや野菜つり 遊んで学ぶ「おいしいこども縁日」道の駅とよはしで開催2025年7月4日
-
北海道初進出「北海道伊達生産センター」完成 村上農園2025年7月4日
-
震災乗り越え健康な親鶏を飼育 宮城のたまご生産を利用者が監査 パルシステム東京2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「農政技術(森林)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
神奈川県職員採用「獣医師(家畜保健衛生分野)経験者」受験申し込み受付中2025年7月4日
-
信州の味が集結 JA全農長野×ファミマ共同開発商品 長野県知事に紹介2025年7月4日
-
障害者のやりがい・働きがい・生きがい「ガチャタマ」で応援 パルシステム埼玉2025年7月4日
-
参議院選挙に行ってとんかつ割引「選挙割り」実施 平田牧場2025年7月4日
-
作物と微生物の多様な共生が拓く農業の未来 意見論文が米国植物科学誌に掲載 国際農研2025年7月4日
-
国産率100%肥料の商品を販売開始 グリーンコープ共同体2025年7月4日