カマンベールチーズに含まれる脂肪酸 細胞内コレステロールの排出促進を確認 明治2023年5月30日
明治と京都女子大学家政学部食物栄養学科栄養学第2研究室の松尾道憲教授は、ヒト由来マクロファージ様細胞を用いた研究により、カマンベールチーズに含まれる脂肪酸がコレステロール輸送体であるABCトランスポータータンパク質を活性化し、細胞中のコレステロールの排出を促進することを確認。同研究成果を5月14日、「第77回日本栄養・食糧学会大会」で発表した。

コレステロールは、胆汁酸合成の材料や細胞構成成分となる生体の重要な成分である一方、マクロファージをはじめとする末梢細胞に過剰に蓄積されると、プラークの形成につながり、心筋梗塞や脳血管性認知症の原因となる動脈硬化が進行するリスクが高まる。
同研究ではコレステロール輸送に関わるABCトランスポーター(ATP-binding cassette transporters; ATP結合カセット輸送体)タンパク質に着目し、カマンベールチーズの含有成分のABCトランスポーター活性化によるコレステロール排出に関する効果を調査。
その中で、カマンベールチーズの抽出物に含まれるパルミトレイン酸とヒドロキシパルミチン酸が、ABCトランスポーターを介した細胞内コレステロールの排出を促進することを確認した。
また、カマンベールチーズに含まれる脂肪酸が、免疫機能の制御に重要なマクロファージ様細胞の炎症状態を改善することを確認した。これらの結果より、カマンベールチーズに含まれる脂肪酸が血管の健康に寄与する可能性が示唆された。
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