牛の起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS」提供開始 NTTテクノクロス×ベルシステム242024年4月12日
NTTテクノクロスとベルシステム24は、国内畜産業の課題解決に向けた共同サービスとして、牛の起立困難予防声かけAIサービス「BUJIDAS(ブジダス)」の提供を4月から開始する。
サービスの流れ
同サービスは、NTTテクノクロスが開発した日本初の牛の起立困難予防声かけAIと、ベルシステム24が提供するアノテーションBPOおよび遠隔による24時間365日サポート体制により、夜間を含む定期的な対応が必要な牛舎見回りのDXを実現し、農家の負担軽減を目指すもの。デジタルデバイス周辺機器などを開発・製造・販売する電子機器メーカーのアイ・オー・データ機器が提供する防塵・防水対応ネットワークカメラ「TS-NA230WP」を採用する。
牛肉を生産する肉用牛経営のうち、繁殖農家が育てた子牛を肥育牛として大きく育てる肥育農家は、約20か月に及ぶ飼育期間において、病気や事故などで牛1頭を失うと、子牛の購入費である素牛費や飼料代など約120万円を超える大きな経済的損失が発生する。そのため、飼育するすべての牛の状態を丁寧に見守り、疾病や事故など危険な兆候を事前に察知することが必要となる。一方で、牛舎の見回りは、肉体的・精神的な負担が大きく、また人手不足を背景に新規での人員確保も難しいため、農家の生産性を下げる要因となっている。
こうした背景の下、特に出荷前5か月間に多く発生する起立困難による死亡事故の予防を目的に、NTTテクノクロスとベルシステム24が両社の技術・知見を掛け合わせることで、肥育農家に向けた牛舎監視サービスを開発した。
同サービスは、ネットワークカメラで撮影した牛の姿勢をAIが判定。ネットワークカメラから発報される音により、牛の姿勢を変えさせることで、起立困難の発生を予防する。非接触型では日本で初のサービスとなる。特許出願済。
利用の際は、牛舎の環境・牛の頭数に応じた台数のネットワークカメラを設置して牛舎の様子を常時撮影し、導入時に、起立困難になりうる危険な姿勢の映像をアノテーションにより設定。AIを個々の状況に合わせてチューニングすることで、危険な姿勢となっている牛の判定確度を向上させる。運用開始後は、危険な姿勢であるとAIが判断した場合に、ネットワークカメラから特殊音を発報。音に反応した牛が首を起こして姿勢を戻すことで起立困難の発生を防ぐ。
音に牛が反応せず起立困難に繋がる姿勢が一定時間継続された場合は、AIから自動で利用者にメールを送信することで注意を促すなど段階的なアプローチにより起立困難を防ぐ。また、監視センターでは、ヒトによる機器の稼働監視や、利用者からの問い合わせ対応などを24時間365日担う。オプションサービスとして、起立困難に繋がる姿勢が改善しない場合、牛の状態をモニタリングし、利用者への電話による緊急連絡を行うことも今後検討する。
同サービスの活用により、起立困難による損失コストの削減をはじめ、牛舎見回りにかかる負荷軽減や見回り人員のコスト削減が可能となる。また、決済については、畜産生産者の経営サポートに取り組んでいるアメリカン・エキスプレス・インターナショナルが提供する個人事業主・中小企業者向け「ビジネス・カード」に対応。キャッシュレス決済による支払い工数の軽減、支払いに伴うポイント還元により、本サービスの普及の促進を目指す。
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