経口ワクチン、飼料添加物開発「KAICO」へ出資 アグリビジネス投資育成2025年4月15日
アグリビジネス投資育成株式会社は4月15日、「蚕で世界を変えていく」をミッションに掲げ、主に家畜動物向けの経口ワクチン、飼料添加物を開発・製造・販売するKAICO株式会社に出資することを発表した。
KAICOは九州大学発のスタートアップ企業で、独自のカイコ・バキュロウイルス発現法を用いて、蚕で生産した組み換えタンパク質による医薬品製剤開発・製造支援事業を展開。特に、ヒトおよび動物用ワクチンの原料となる難発現タンパク質の受託発現・開発・生産に強みがある。
動物向けワクチン分野では、養豚業界における経口摂取させることで簡易に健康維持が期待できる飼料添加物開発が進展しており、同社は先行的にベトナムにおいて製品登録を進め、商業展開に向けた取り組みを開始。飼料添加物による経口投与の実現は、現行の注射型ワクチン接種と比べて動物へのストレスが軽減されることに加え、特別な技術や設備がなくても容易に投与可能となることから、生産現場における労働負荷軽減やコスト削減を通じて畜産業界の生産性向上に寄与することが期待される。
また、KAICOの事業運営には高品質な蚕の安定調達が不可欠となることから、同社は「養蚕業復興プロジェクト」を立ち上げ、全国の農業生産者や自治体等と連携し、蚕の生産基盤の整備・拡張に向けた取り組みを加速。これは、原料の安定調達だけでなく、衰退しつつある国内養蚕業の新たな担い手創出や販路拡大や地域活性化にもつながる可能性を秘めている。
アグリビジネス投資育成は、KAICOの経口ワクチン、飼料添加物の開発という革新的な取り組みが、畜産生産現場の防疫作業にかかる労働負荷軽減やコストの削減につながると同時に、日本のる養蚕業復興と地域活性化にもつながると評価し、出資を決めた。
出資後は、株主である日本政策金融公庫、農林中央金庫をはじめとしたJA・JFグループなどネットワークを活用しながら、事業のサポートを通じて、国内農林漁業と食品産業の持続的な発展に取り組む。
アグリビジネス投資育成は2002年に設立され、「国内農林漁業及び食品産業の持続的な発展」を目的として、漁業林業法人、国内外の「食のバリューチェーン」に関わる企業に地域活性化やビジネスの創出、新たなバリューチェーンの構築・改善等に取り組む事業者を支援している。
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