雪印メグミルク、北海道銀行と連携「家畜の排せつ物由来」J-クレジット創出へ酪農プロジェクト開始 Green Carbon2025年4月24日
ネイチャーベースのカーボンクレジット創出販売事業を展開するGreen Carbonは、雪印メグミルク、北海道銀行と連携し、国内初・最大規模となる「家畜の排せつ物由来」J-クレジット創出に向けた酪農プロジェクトを開始した。
3社連携スキーム図
この取り組みでは、北海道で8年間に約1万1500トンのJ-クレジット創出を予定。これは年間で牛1500頭分の排出量に相当する。また、酪農由来のJ-クレジットは過去10年間で約149トンしか発行されておらず、同取り組みではその約77倍の酪農由来のJ-クレジットを創出する。
自然由来のカーボンクレジットは、水田クレジットだけでなく、森林、バイオ炭、畜産酪農、カーボンファーミングなど可能性を秘めている。Green Carbonは多様なプロジェクトに参画する生産者の申請を包括的に支援するプラットフォーム「ネイチャーベースコンソーシアム」を発足。北海道では2024年11月に営業所を構え、中でも酪農プロジェクトに注力し、1月末に日本初となるJ-クレジット「家畜排せつ物管理方法の変更(AG-002)」のプログラム型登録を完了した。
今回は、以前から北海道で連携を進めていた北海道銀行の紹介で、雪印メグミルクと酪農プロジェクトを開始。北海道銀行は、顧客先の酪農農家紹介を担い、雪印メグミルクは、創出した酪農由来のJ-クレジットを購入する。Green Carbonは同取り組みのJ-クレジット登録・申請・発行や、酪農農家のサポートを担う。
「家畜の排せつ物由来」J-クレジット創出の仕組み
この取り組みで使用するJ-クレジットの方法論は、「家畜排せつ物管理方法の変更(AG-002)」で、鶏・豚・牛の家畜の排せつ物の強制発酵設備を導入する事により発酵の速度を上昇させ、CH4やN2Oを削減し、削減分をJ-クレジットとして認証させる仕組み。
現状では、約6割の農家が堆積発酵の管理を行っており、約半年間かけて発酵させるため労力がかかるが、強制発酵設備を導入する事で酪農農家の工数を半減させることができる。一方で、強制発酵設備の導入は莫大な設備導入コストが掛かるため、この方法論を活用する酪農農家はほんとんどいない。
そこで、同社は強制発酵設備の導入費用、J-クレジット登録・申請・認証費用などを内包したプロジェクト出資型の酪農プロジェクトを構築することで、設備導入コストを解決。酪農分野における①GHG排出量の課題、②飼料高騰と酪農農家減少の課題、③悪臭の課題という課題解決にもつなげる。さらに、同取り組みで連携する酪農農家にもJ-クレジットの販売収益を分配することで、副収入にもつながる。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日
-
キウイブラザーズ新CM「ラクに栄養アゲリシャス」篇公開 ゼスプリ2025年4月30日
-
インドの綿農家と子どもたちを支援「PEACE BY PEACE COTTON PROJECT」に協賛 日本生協連2025年4月30日
-
「日本の米育ち 平田牧場 三元豚」料理家とのコラボレシピを発表 生活クラブ2025年4月30日
-
「子実トウモロコシ生産・利活用の手引き(都府県向け)第2版」公開 農研機構2025年4月30日
-
「金芽ロウカット玄米」類似品に注意を呼びかけ 東洋ライス2025年4月30日
-
令和7年春の叙勲 JA山口中央会元会長・金子光夫氏、JAからつ組合長・堤武彦氏らが受章2025年4月29日