全農の株式会社化を否定 萬歳・JA全中会長2014年5月9日
会見で農協改革報道を批判
JA全中の萬歳章会長は5月8日の記者会見で、農協改革をめぐり、全中の一般社団法人化や全農の株式会社化などの一部報道を批判するとともに、協同組合として役割を発揮し農業の生産増大や地域活性化、組合員・農業者の所得向上につなげるために全農の株式会社化の考えがないことを改めて強調した。
萬歳会長は「全中の一般社団化、全農の株式会社化、また、全中の賦課金廃止や権限縮小といった報道がなされた。あたかも規制改革の焦点がそこにあり、政府が法改正を含め方針を決定したかのごとく報じられている。JAや組合員からなぜこんな報道になるのか批判や反発が寄せられている」と会見で話した。
◆全農株式会社化は、農業者の所得減らす
そのうえで次のように反論した。
「全中の一般社団化や全農の株式会社化は、むしろ農業者の結集を崩してしまうということで大手の流通資本や量販店、外食チェーンなどに国産農畜産物、食材の買い叩きを助長する。消費者価格は下げずに中間マージンを増すだけで農業者の所得を減らすことになると思っている」。
「JAは農業者が集まって、量を束ねて産地ブランドとして出荷し農家手取りの安定を図ったり、資材を共同して注文することで価格交渉で安く仕入れるといった農業者の協同の取り組みで所得を向上させることが目的。これは全農や連合会においてもまったく同じ。ひとつのJAではできないこと、複数のJAあるいは全国のJAが協同して販売、あるいは共同購入することで価格交渉力を増して農家の所得向上につなげることを事業として行っている。株式会社で同じことができるかといえば、けしてできないと思う」。
「全農を中心としたJA、農業者の共同行為であればこそ、山間部や島嶼部にもわずかな量でも資材は運ぶし、共同販売の量的メリット、年間の販売供給においても大手実需者との価格交渉力が発揮される。ひいては消費者、国民への安全・安心な食料を安定して届けるということにつながるものと思っている」。
◆6月、革新プランの工程決める
農協改革報道にこう反論したうえで、一方でJAグループがこれから取り組む「営農・経済革新プラン」について「安倍総理が本部長としてまとめた『活力創造プラン』で求められている農業の成長産業化に向けた農協の役割であり、自己改革そのもの」と強調し、農業者の所得向上に向けてしっかりと役割を果たすために、プランを確実に実行していくことが重要だとした。
同プランについては6月の全中理事会で工程表を正式に決める。9月に全中に営農・経済革新プラン推進本部と有識者や若手担い手などをメンバーにした専門委員会(営農・経済革新委員会)を設置するほか、担い手支援のための全国基金の設立や輸出拡大に向けたJAグループの協議会や一元的な法人設立などの取り組みに向けたスケジュールなどが示される。
(関連記事)
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