地域包括ケアのあり方探る 文化厚生連が研究会2015年9月18日
皆で支える介護を交流深め信頼築く
日本文化厚生連は16、17日、東京都内で「地域包括ケアと協同・地域づくり」で研究会を開いた。厚生連病院は、地域包括ケアの政策のもとで、医療と介護の双方を見定めた事業運営が求められており、そのあり方を探った。
研究会は、日本文化厚生連が組織する「厚生連病院と単協をつなぐ医療・福祉研究会」として毎年おこなっているもので、今回が19回目。協同の力による福祉事業のあり方についてさまざまな面から議論を重ね、その方向性を模索する。厚生連職員と単位JAの役職員が参加。
研究会では金子勝・慶応大学教授が「許してよいのか!『地方創生』という名の地方切り捨て」のテーマで講演。「地域単位の包括ケアは大事だが、現状は無策で、福祉切り捨てに使われている」と指摘。そのうえで中核病院や診療所、訪問医療、看護、介護がネットワークを組み、かかりつけ医師やケースマネジャーなどが個々の人間に張り付く仕組みの必要性を挙げ、「そのためのサービス提供や、利用者、負担者が決められるような権限と財源の地域への移譲が不可欠」と話した。
また地域包括ケアをめざす三重県厚生連菰野厚生病院の小嶋正義病院長は、在宅介護の必要性を指摘。そのため病院に求められることとして、(1)病院で行われていた医療行為が在宅へ移行できるよう退院に責任をもって支える、(2)行き場のない処理困難ケースを断らない、(3)独居や社会的背景によって退院できなケースも在宅でフォローすれば退院できるーなどを基本姿勢として挙げる。
その実践事例として、JAあいち知多がJAの介護事業を報告。同JAの助け合い組織「ぬくもりの会」は400人余りのメンバーを持つ。これに地域のボランティアグループも加わり、デイサービスで多種多様なレクリエーションを提供。利用者にとっては、施設の職員以外の人との交流ができる。「地域の情報や人々と出会うことが大きな刺激になっている。
同JA生活部介護保険課の竹内みどり課長代理は、「利用者の家族同士、家族とJA職員、JA職員、JA助け合い組織、地域ボランティアのコミュニケーションを深めることで、お互いの信頼関係が強まる」と、地域の人、全体で支える介護の効果を強調した。
研究会はこのほか、全国訪問看護事業協会の宮崎和加子事務局長が「地域包括ケアと看護・介護の連携」で講演。金城学院大学の朝倉江美教授のまとめと問題提起を踏まえ、パネルディスカッションを行った。
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