震災の時に受けた恩返し イチゴの苗で JAみやぎ亘理2015年10月14日
JAみやぎ亘理は10月上旬、東日本大震災の後にイチゴの苗を栃木県から寄贈された恩返しとして、今年9月に水害のあった栃木県にイチゴの苗を5万3000本送った。
昔からJA間や生産者間で交流のあった栃木県と宮城県。東日本大震災の際、栃木県は宮城県にイチゴの苗51万本を送っていた。
今回、降雨による水害のあった栃木県の「支援してほしい」という声を聴いて、JAみやぎ亘理はすぐに(宮城県として)手を挙げた。
JAみやぎ亘理の担当者は「うちの方でも大変な被害(東日本大震災)があったときに恩を受けた。その時に受けた恩返しとして、いくらかでもお返しができれば」という気持ちで苗を送ったという。「(震災の時には)栃木県全体からもらったもの。(私たちは)小さな農協だが、いくらかでも栃木県の方々に苗を送って、今までと同じような生産、もしくはそれ以上に元気をだして、おいしいイチゴを食べていただきたい」と話した。
同苗は栃木県に10月3日と6日の両日、2回に分けて届いた。
届いた苗を受け取りにきた生産者は、「今年の作柄は駄目になったと思っていたが、良い状態の苗が届き助かった。今年もイチゴができる」と喜んで、その日のうちに定植させたという。
JA全農とちぎの担当者は、「震災当時は、産地を立て直したいという(宮城県の)気力に、お手伝いしたいという気持ちで復興の協力をした。今度は逆の立場で、JAみやぎ亘理を中心に支援をいち早くしてもらい、イチゴの生産者同士、JA間の絆を強く感じ、また人間本来の気持ちを感じられた。提供する気持ちはわかるけれど、提供される側になるとそのありがたみが増した。産地の絆を感じた」と話した。
(写真:提供JA全農とちぎ、JAみやぎ亘理)栃木県に向けて送られるイチゴの苗、苗を受け取った栃木県担当者ら
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