【独禁法違反は遺憾】生産者代表が表明 JA土佐あき2017年4月5日
JA土佐あき管内の支部園芸部
JA土佐あき(高知県)が3月29日に公正取引委員会から排除措置命令を受けた問題について、JA土佐あき管内の園芸集出荷所場を利用している生産者組織(支部園芸部)の代表者は4月3日、「JA土佐あきから支部園芸部に指揮命令を受けることはなく、JA土佐あきから系統外出荷することを制限されたこともないにも関わらず、JA土佐あきが独占禁止法に違反したとされることは誠に遺憾」とする見解をJA土佐あきのホームページで公表した。
JA土佐あき管内の7つの支部園芸部の運営委員長を構成員とする本部園芸運営委員会の齊藤仁信会長は「公正取引委員会からの口頭注意について」と題する文書を発表し、「自分たちが行ってきたことの事実を明らかにしたいと思います」として、これまでの経緯と各支部園芸部の事業の実態や規約等について説明している。
同JA管内の支部園芸部とは、現在の総合農協が発足するより先に専門農協的に生産者が設立した組織で、平成10年に12JAの合併でJA土佐あきが発足したのちも、JAとは別個の組織として独立採算性で各集出荷場の運営を行ってきている。7つの支部それぞれに独自の規約を持ち、総会で事業方針などを決定する。
3日に発表した文書では支部園芸部のこうした位置づけを強調し、「今回の事件は、集出荷場の運営ルールは、われわれ農家が決定することであって、土佐あき農協から支部園芸部に対して、指揮命令を受けることはなく、ましてや、土佐あき農協から系統外出荷することを制限されたこともないにも関わらず、土佐あき農協が独占禁止法に違反したとされることは、誠に遺憾」と強調している。
一方、3月29日、7支部園芸部の運営委員長に対して公取は口頭注意を行った。注意事項については「真摯に受け止めたいと思いますが、これまでの報道を見る限り、事実と異なる点や誤解と思われる点が多々あるため、自分達が行ってきたことの事実......を明らかにしたい」と今回の発表意図を表明している。
文書では、各支部は集出荷場の運営経費(パート職員の人件費なども含む)や導入した機械の費用などを、JAに事務委託したり費用立替したりしてもらっているため、その支払い費用として支部員(生産者)は手数料を支払っており、「系統外出荷手数料」も集出荷場の維持・存続のために必要な費用が不足しないよう自主申告で集めていたもので、支払うかどうかも自由と説明している。
そのほか、公正取引委員会が罰金とした「反当徴収金」とは、JAに立て替えてもらった機械導入費用を支部員が負担していくときに、目標出荷量(=機械利用料)に満たない支部員の分が計画出荷している支部員にまで負担がかからないようにする、「機械利用料のキャンセル料というのが正確な意味で、系統外出荷を制限するためのルールではありません」と説明している。
※ ※
本紙は近日中にこの問題の現場取材とJAトップインタビューなどを掲載する。
(写真)JA土佐あき管内の集出出荷場。選別、出荷作業などのパート従業員の人件費もJAとは別組織の支部園芸部の独立採算でまかなわれている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日